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2005年10月

セルコ―ウクライナの昔話

オンライン書店ビーケーワン:セルコ

『セルコ―ウクライナの昔話』(内田莉莎子文/ワレンチン・ゴルディチューク絵/福音館書店)

 ある講演で、『泣いた赤おに』と『セルコ』の両方を読みきかせて、反応を調べたというようなことを聞いた。『泣いた赤おに』は知っていたが、『セルコ』は初めて耳にした。『泣いた赤おに』に似た話で、結末が違うらしい。さっそく読んでみた。
 セルコは農家で飼われている老犬。年をとって役に立たなくなったと言われ、農夫に追い出される。行くあてもなくうろついていると、おおかみに会う。セルコに同情したおおかみは、もう一度農夫に大事にしてもらえるよう、手を貸すという。
 確かに似ているが、『泣いた赤おに』のようなせつなさはない。セルコが赤おにほど身勝手ではないせいかもしれない。前述の講演の演者の方は、『泣いた赤おに』と『セルコ』を両方読みきかせ、「どっちがいい?」と尋ねたそうだが、感想はさまざまだったらしい。老人介護施設での読みきかせで、「外国のおはなしもなかなかいいものですねえ」という感想をくれた方がいたそうだ。同じ質問をされたら、後味のよさから、私は『セルコ』を選びたい。

ドラゴン

『ドラゴン』(ウエイン・アンダースン作/岡田淳訳/BL出版)

 最近、次女Yはドラゴンにはまっている。図書館に行くと、端末で検索して、ドラゴンの出てくる本を探すけれど、なかなかこれというのが見つからない。ドラゴンが悪もので、退治されるような話はだめ。まんがチックな絵もだめ。
 その中で、惚れ込んでしまったのがこれ。主人公は迷子になったドラゴンの子どもで、とにかく絵が美しい!

イヤーオブノーレイン 内戦のスーダンを生きのびて

オンライン書店ビーケーワン:イヤーオブノーレイン

イヤーオブノーレイン 内戦のスーダンを生きのびて(アリス・ミード作/横手美紀訳/鈴木出版)

 内戦と干ばつによる飢饉に悩まされている、アフリカ、スーダン南部。11歳のステファンの村が反乱軍に襲われ、母さんは殺され、姉さんは行方不明になった。友だちのウル、デングとともに、ステファンは難民キャンプめざしてさまようが……。
 読み終えたとき、一番つらかったのは、この国の内戦は終わっていないということ。干ばつも変わらず(これは異常気象なのではなく、気候変動なのだといわれた)。
 子どものころ、近所にスーダン大使館があった(同じ場所が、今はタンザニア大使館になっている)。当時のスーダンが内戦状態だったということを、作者あとがきを読んで知った。そして、内戦は今も続いている。当時から今に至るまでの年月に、自分がどこでどういうことをしてきたかに思いをはせると、この内戦は本当に長い。長すぎる。

はばたけ!ザーラ 難民キャンプに生きて

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はばたけ!ザーラ 難民キャンプに生きて(コリーネ・ナラニィ作/トム・スコーンオーヘ絵/野坂悦子訳/鈴木出版)

 ザーラはクルド人の女の子。赤ちゃんのとき、イランからイラクへ逃れてきて、難民キャンプで暮らしている。お父さんとお母さん、妹2人と赤ちゃんの弟レザの6人暮らし。レザは生まれつき重い病気を抱えていて、バグダットの病院に何度も入院しているが、このままでは長く生きられないと言われる。
 ザーラたちの物語は、まるでおとぎ話のように思えた。でも、大切なことは、世界にはたくさんのザーラたちがいて、そのほとんどはザーラたちほど幸運ではないのだと、知っていることかもしれない。

バイオリニストは肩が凝る

オンライン書店ビーケーワン:バイオリニストは肩が凝る

『バイオリニストは肩が凝る』(鶴我裕子著/アルク出版企画)

 N響の第1バイオリン奏者、鶴我裕子さんのエッセイ集。クラシックのこともオーケストラのことも、ほとんど知らない私が読んでも面白かった。でも、「ここに出てくる固有名詞になじんでいれば、もっと面白くなるんだろうなあ」と思わずにいられなかった。巻末におすすめがいくつか挙げられているので、とりあえず、そのあたりから始めてみようか。
 それはともかく、「世の中に『合奏』が足りない」という章に書かれていることは、私も日ごろ感じていたようなことだった。日本では「演奏する人」と「鑑賞する人」が断絶されていると思う。「鑑賞する人」は有名な人の演奏しか価値を見出せず、パーティーの片隅で演奏している無名音楽家のアンサンブルを「下手な音楽聴かせやがって」と切り捨てる。そのような人はたいてい、自分は楽器では演奏しないらしい(というようなエピソードが、篠田節子さんのエッセイ集、『寄り道ビアホール』に出てくる)。鶴我さんは、家族でアンサンブルを楽しむことを勧めている。スポーツもそうだけれど、私はただ鑑賞するよりは、自分も参加するほうが好き。家族でアンサンブル……我が家でも実現させてみたい。

ハナミズキ

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 祖父の十三回忌の法要に出席したあと、お墓をお参りしました。ハナミズキの赤い実がきれいでした。
 墓参りに来ると、墓石に刻まれた文字を読み耽ってしまいます。「享年四歳」なんて書いてあると、何とも言えない気持ちになります。

実りの秋

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 実家の庭の柘榴が実をつけていました。

こんにちはアグネス先生

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『こんにちはアグネス先生』(カークパトリック・ヒル作/宮木陽子訳/朝倉めぐみ絵/あかね書房)

 舞台は第2次大戦後のアラスカの小さな村。村には小さな小学校があったが、先生が来ては去っていき、長く居ついたためしがない。またひとり先生が去っていた直後、イギリス人のアグネス先生がやってきた。アグネス先生は今までの先生とまったく違った。子どもたちではなく、村の人たちが知ること・学ぶことの楽しさにめざめていく。
 たまたま手に取った本でしたが、意外な掘り出し物でした。

(2日前に一度書いて、アップしようとしたら、ちょうどココログのメンテナンスが始まり、書いたものが消えてしまいました。ショックでした……。残念ながら同じものはもう書けないので、非常にあっさりしたものになりました。)

恋愛市場

オンライン書店ビーケーワン:恋愛市場

『恋愛市場』(サラ・ダン作/菊池由美訳/ポプラ社)

 アリソンが同棲している恋人トムが出て行った。ホームパーティーの真っ最中、マスタードを買いに出たあと、「ほかに好きな人ができた」と電話をよこし、それきり戻らなかったのである。パーティーの真っ最中なので、目撃者多数。これはかなりつらい。回想シーンが多いので、長い時間の話のように感じたが、実際は始まりから終わりまで、数週間(+エピローグ的要素)の話。ネタバレになるので詳しくは書けないけれど、ラスト近く、つきものが落ちたようにすっきりしたアリソンが印象的で、好感を持った。
 結婚して子どもがいる人、結婚しているけれど子どもはいない人、結婚はしていないけれど恋人がいる人、独身で恋人もいない人……。それぞれにそれぞれの人生があり、喜びも悲しみも、怒りもさびしさもそれぞれ。

金魚はあわのおふろに入らない!?

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『アビーとテスのペットはおまかせ! 1 金魚はあわのおふろに入らない!?』(トリーナ・ウィーブ作/宮坂宏美訳/しまだしほ絵/ポプラ社)

 将来は獣医さんになりたいアビー。悩みは、住んでいるアパートがペット禁止で、ペットが飼えないこと。そこで、ベビーシッターならぬ、ペットシッターになろうと思い立ちます。さっそく、近所のウィルソンさんが留守にしている間、金魚の世話をすることになりますが……。
 真面目で、比較的融通がきかない姉アビーと、自由奔放で、気分は犬!の妹テスの対比がおかしかったです。身近によく似た姉妹がいるので……。あと、休日の朝、お父さんがブルーベリーのホットケーキを焼くのですが、欧米の作家の作品を読んでいると、「休日の朝、お父さんがホットケーキ(パンケーキ)を焼く」というのが多いような気がします。一般的なのでしょうか。
 カナダでは人気のシリーズで、原書は7巻まで刊行されているそうです。日本でも続刊が出るとか。楽しみです。

ジュディ・モード、有名になる!

オンライン書店ビーケーワン:ジュディ・モード、有名になる!

『ジュディ・モード、有名になる!』(メーガン・マクドナルド作/ピーター・レイノルズ絵/宮坂宏美訳/小峰書店)

『ジュディ・モードはごきげんななめ』に続く、「ジュディ・モードとなかまたち」シリーズ第2弾。クラスメートのジェシカが「単語つづりバチ大会」で優勝。ティアラをかぶって、新聞にも写真が載って、自慢げなジェシカが、ジュディは実はうらやましい。「一生のうち、15分くらいは有名になれるチャンスがある」と聞いて、自分も有名になろうと考えますが……。
 ストーリーも会話も、テンポよく進みます。それにしても、ジュディは器用ですね。この手先の器用さとあの打たれ強い(?)性格があれば、いつか本当に有名になる日もくるのではないでしょうか。

薔薇の木に薔薇の実成る

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 食べられるのだろうか?(素朴な疑問……。)

(追記)
 食べられるみたいです。
 お茶(ローズヒップティー)にしたり、ジャムにするらしい……。
 でも、去年まで、実が成っていることにすら気がつきませんでした。

岸本葉子の暮らしとごはん

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岸本葉子の暮らしとごはん』(岸本葉子著/昭文社)

 新聞の生活欄で紹介されたのを見て、興味を持った。がんの手術を受けたあと、食生活をあらためた著者の、食を中心とした日々の生活がつづられ、レシピがいくつか紹介されている。
 私自身、病気というわけでもないのに体調が悪くなることがある。著者・岸本葉子さんが言うように、食事は1日3回取るものだし、もう少し改善してみようかなあと考えるようになった。体を動かすことも大事だけれど、その前に体を動かせるだけの体力を取り戻すことが必要かもしれない。
 ここ数日、微熱が続いていて、寝込むほどではないので、普段どおりに仕事に行ったりしているせいか、全然よくならない。口の中は口内炎がいっぱいできていて、リンパ腺がはれている。関節が痛いような気もする……。
 食生活を改めようと、とりあえず、らでぃっしゅぼーやに資料とお試し野菜を請求。浄水器を買うことも検討中。よさそうなのは高い……。82,425円という値段にめまいがした。

ローラ*ローズ

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ローラ*ローズ』(ジャクリーン・ウィルソン作/ニック・シャラット挿絵/尾高薫訳/理論社)

 宝くじが当たったのをきっかけに、ジェイニと母ニッキ、弟ケニーの3人は、暴力をふるう父から逃げるため、家を飛び出した。名前を変え、新しい人生をやり直すはずだった……。
 長女Nが「ガールズ」シリーズをはじめとするウィルソン作品が好きで、この本も中学入学祝いにいただいた図書券でNが購入したもの。私は……というと、ウィルソンの作品は文体のおかげか、深刻なテーマを扱っている割には暗くならないところはいいと思っているのだけれど……ときどき、読んでいてトラウマスイッチが入ってしまうことがある。残念だけれど、この『ローラ*ローズ』を読みながら、記憶の奥に封印していた出来事をいろいろ思い出してしまい、つらかった(でも、何とか読み終えた)。
 『ヴィッキー・エンジェル』ではジェイドのお母さん、『ガールズインティアーズ』ではエリーのお父さんに感情移入してしまった。う~ん。嫁姑ものドラマを見ながら、いまだに嫁に感情移入しているうちの母はすごいのかもしれない。

ヴィッキー・エンジェル

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ヴィッキー・エンジェル』(ジャクリーン・ウィルソン作/ニック・シャラット挿絵/尾高薫訳/理論社)

 ジェイドとヴィッキーは幼稚園からの親友。美人で明るくて人気者のヴィッキーに、おとなしいジェイドは振り回されていた。ある日、いつも自分のやりたいようにするヴィッキーにジェイドは腹を立て、けんかになる。道路に飛び出したヴィッキーは車にひかれ、帰らぬ人に……。自分のせいで!と罪の意識に責められるジェイドのもとに、幽霊となったヴィッキーが現れた。ヴィッキーの姿はジェイドにしか見えず、ほかの人には見えない。生きていたころと同じように、ジェイドの行動をあれこれ指図する。また、ほかの子と仲良くするとヴィッキーが怒るので、やさしくしてくれる子がいても、わざと邪険な態度をとらなければならない。ジェイドはだんだん息が詰まってくるのだが……。
 女の子の友情がまるで主従関係のように見えることがある。2人組のうち、支配力を持つほうが何もかもを決定し、もうひとりは相方の顔色をうかがう。アン・ファインの『チューリップ・タッチ』もそうだったし、山田詠美の『蝶々の纏足』もそうだった。物語の中を探さなくても、我が家の娘たちだって、保育園時代、お友だちとの関係は主従関係だった(うちの娘たちは振り回されるほう)。
 作者の意図と反しているような気はするけれど、私には、幽霊となったヴィッキーは、ジェイドが罪の意識と寂しさから、無意識に作り出した存在のように思えてならなかった。そういう視点で読むとラストが妙に納得できるのだけれど。

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