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2005年11月

クリスマスの幽霊

オンライン書店ビーケーワン:クリスマスの幽霊

『クリスマスの幽霊』(ロバート・ウェストール作/ジョン・ロレンス絵/坂崎麻子・光野多惠子訳/徳間書店)

 クリスマス・イブ、父さんの弁当を届けに工場へ行ったぼくは、エレベーターの中で幽霊を見た。その話をすると工場の人たちは青ざめる。エレベーターの中で幽霊を見ると、その日、誰かが死ぬからだ。表題作のほか、作者ウェストールの回想記「幼いころの思い出」を併録。
 ウェストールの作品は『かかし』しか読んでいません。姿勢を正して(何かをしながらではなく、きちんと集中して)読まなければいけなような気がして、敬遠していました。徳間書店から次々と刊行されていることだし、これを機に少しずつ読んでいこうと思います。
 表題作や併録された回想記を読んでいると、時代はちがいますが、『リトル・ダンサー』や『ブラス!』『フルモンティ』といった映画を連想します。イギリスの地理に疎くて、ウェストールの出身地ノーサンダーランドがどこにあるのか知らなかったのですが、イングランド北部、スコットランドの近くなのですね(冒頭の謝辞「なんども、ハギスをありがとう」に納得しました)。イングランドのこのあたりは、一度列車で通り過ぎただけですが、ぜひ訪れてみたいと思います。それにしても、1930年代はクリスマス・イブでも仕事していたんですね。

重力ピエロ

オンライン書店ビーケーワン:重力ピエロ

『重力ピエロ』(伊坂幸太郎作/新潮社)

 主人公、私の勤める遺伝子を扱う会社が放火される。その直前に、弟の春から、「兄貴の会社が放火されるかもしれない」という電話を受けていた。春は仙台で続く放火事件とグラフィティアートとの関連性を主張し、私も関わりあうことになる。
 春は母(すでに故人)がレイプされてできた子ども。父は末期がん。このように暗い要素が散りばめられているのに、全体のトーンは明るく、結末は相変わらず壮快。私が伊坂作品に惹かれるのは、この壮快さのせいだと思う。
 なんだか仙台に引っ越したくなってきた……。

戦場のピアニスト

『戦場のピアニスト』 (ロマン・ポランスキー 監督/2002年/フランス・ドイツ・イギリス・ポーランド)

 第二次大戦中のワルシャワが舞台。ユダヤ系ポーランド人ピアニスト、ウワディスワフ・シュピルマンは、家族とともにゲットーへ移らされ、その後、ひとりだけ虐殺を免れる。極限状態の中、奇跡とも思える幸運にも恵まれ、生き延びていく……。
 タイトルから、勝手に「戦地に赴いて、兵士たちのためにピアノを弾いてあげていた男の人の話」だと勝手に想像していました。ゲットーで、子どもたちが夜、壁の穴を抜けて外の世界へ出かけたりというようなエピソードは、『ミルクウィード』(ジェリー・スピネッリ作/千葉茂樹訳/理論社)を思い出しました。シュピルマンは強運に恵まれて生き延びたというよりは、「自分ひとりだけ助かってしまったからには、簡単に死ぬわけにはいかないんだ!」という強い意志で生き延びたのではないでしょうか。
 シュピルマンの息子、クリストファー・W・A・スピルマン氏が日本在住で、九州の大学で日本近代政治思想史を教えているとは知りませんでした。父のことを綴った『シュピルマンの時計』(小学館)という本も出ています。この本の中にも書いてあるそうですが、映画の中で、ホーゼンフェルト大尉がシュピルマンに「Du(おまえ)」ではなく「Sie(あなた)」で話しかけているのに、字幕では全く反映されていなかったそうです。
 シュピルマン本人のピアノが聴いてみたいと思ったら、CDが出ていました。


オーデュボンの祈り

オンライン書店ビーケーワン:オーデュボンの祈り

『オーデュボンの祈り』(伊坂幸太郎/新潮社)

 発作的にコンビニ強盗をして捕まり、警察から逃げる途中で意識を失った僕は、気がつくと見知らぬ島にいた。江戸時代末期から鎖国をしているというその島は、人々の暮らしは伊藤が来た世界と一見変わらないように見える。しかし、しゃべるカカシ、優午が、預言者として崇められていたり、公然と人を殺すことが許されている「桜」という男がいたり……明らかに違う。そして数日後、優午が殺される。一方、元の世界では、警察官の城山が僕の行方を執拗に追っていた。
 第5回新潮ミステリー大賞受賞作(最後の受賞作でもある)。読み始めたとき、『死神の精度』や『陽気なギャングが地球を回す』とはテンポが異なるので、少しとまどった。正直言って、前に読んだ2作ほどは読みやすくない。けれど、ところどころにのちの作品の片鱗が見え、うれしくなった。読み終えたあとの心地よさは格別で、これはこの作家の持ち味なのかなと思う。
 巻末にある審査員の講評がなかなか興味深かった。最終審査に残ったほかの3人は、その後どうしているのだろう?

収穫 その2

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 実家の庭のカリンが実りました。はちみつ漬けにします。口にできるのは2〜3か月後。

陽気なギャングが地球を回す

オンライン書店ビーケーワン:陽気なギャングが地球を回す

『陽気なギャングが地球を回す』(伊坂幸太郎作/祥伝社)

 どんな嘘でも絶対に見破る成瀬、成瀬の高校時代の同級生で、嘘しか言わない饗野、スリの名人の久遠、正確な体内時計をもつ雪子。4人は成功率百パーセントの銀行強盗。しかし、計画通り銀行を襲い、奪った金を持って車で逃げる途中、偶然現金輸送車襲撃犯と遭遇してしまい、車ごと売り上げを奪われてしまった……。
 イドノハタノホンダナさんが、「『伊坂節』に初めて挑む人には『オーデュボンの祈り』とか『陽気なギャングが地球を回す』などがお勧め。どちらかを読んで肌に合わなければ、全作避けた方がよろしいかと」と書かれていたので、とりあえずこの作品を読んでみました。テンポよく、楽しく、読み終えたあとの爽快感……最高です。銀行強盗4人の役割分担がはっきり分かれていて、それぞれに魅力的。その中で饗野さんに惚れました。銀行を襲って、ほかの2人がお金を集めている間、捕らわれの身になっている人相手に演説するのもいいし、ちんぴらまがいの中学生を、シューベルトの「アヴェ・マリア」を歌いながら殴りつけるところなんて、ほんとうに素敵。そういうわけで、現在シューベルトの「アヴェ・マリア」をドイツ語で歌えるよう、練習中です。
 この作品が肌にあったので、次は『オーデュボンの祈り』を読みます。

通いの猫

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 うちの近所には猫が多い。上の画像はわたしが「ちゃしりん」と呼んでいる猫。しっぽが短くて丸まっていて、なかなかかわいい。
 仲良くしたいけれど、なかなかなついてくれない。そんなものかな。
 『最後の宝』を読んでから、猫が膝に乗ってくる生活がちょっと懐かしくなっています。

ミュージック・オブ・ハート

 夫が友人と駆け落ちしてしまい、2人の子どもを養うためにロベルタがやっと見つけた仕事は、ハーレムにある公立の学校の子どもたちにヴァイオリンを教えることだった。最初は誰一人言うことを聞かず、ロベルタは戸惑いながら、「ヴァイオリンは難しいけれど、練習すれば誰でも弾けるようになる」と、厳しいレッスンを基礎から続けていく。その一方でロベルタの長男ニックは荒れ、学校ではけんか、家ではロベルタに反抗的な態度を示す。ニックは母が父を追い出したのだと思い込んでいたのだ。
 10年の歳月が流れ、ロベルタのヴァイオリン・クラスは抽選をしなければ入れないほど人気のクラスになっていた。それにもかかわらず、市の教育委員会が課外教育の予算をカットすることになり、今学期でヴァイオリン・クラスは打ち切りになることが決まった。「わたしはあきらめない!」ロベルタは友人のつてでマスコミに訴える。有名ヴァイオリニストの協力も得て、救済コンサートを開くことになる。
 ロベルタのレッスンは厳しい。ふざけている子、ヴァイオリンを大事にしない子には「レッスンを受ける資格はない。もう来なくていい」と容赦ない。「ヘタクソ!」口も悪い。ほとんど予備知識なく、楽しく遊びながらヴァイオリンを身につけていく話かと思い込んでいたので、この教師像は意外だった。けれど、楽器をひとつものにするには努力が必要なのは当たり前なことだし、努力して身につけたものは誇りに感じるし、大事にするはず。タイプは違うけれど、ドラマ「女王の教室」のヒロイン、阿久津真矢に通じるものがあるかもしれない。
 アイザック・スターン、アーノルド・スタインハート、イツァーク・パールマン、マーク・オコーナー、ジョシュア・ベルといった著名なヴァイオリニストが実名で出演している。ロベルタが最初に教えた生徒の中に脚の悪い女の子がいて、「わたしは脚が悪くてきちんと立てないから、ヴァイオリンは無理」というと、「あきらめないで」とイツァーク・パールマンの名前を出す。実は昨日、地下鉄の中で「イツァーク・パールマン・ヴァイオリン・リサイタル」の広告を見かけていたので、運命的なものを感じた。リサイタル、聴きに行こうかな……。
 『ミュージック・オブ・ハート』の公式サイトはこちら


収穫

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実家の柿が実りました。
渋柿なのですが、完熟しているので、生でも美味しく食べられるそうです。
柿を収穫すると、いよいよ冬到来!という気分になります。

名犬?エリックのおかしな冒険

『名犬?エリックのおかしな冒険』(A・ノリス作/光野多惠子訳/金の星社)

 イギリスの小さな町に暮らす小学生、エリック。最近なぜか、体が犬に変身してしまうようになってしまった。エリックの秘密を知っているのは親友ロイだけ。家族も知らない。たとえば自分の部屋でまんがを読んでいるときに急に首の後ろがかゆくなると、かいているうちに犬に変身! 息子の部屋をのぞいたお父さんお母さんは、犬が勝手に上がりこんでいるのを見て、怒って追い出す。犬になっている外をうろうろしているうちに首がかゆくなると、ふたたび人間のエリックに戻る(でも、犬だから服は着ていない。これはかなり困る)。そんなエリックとロイの、はらはらどきどきする日常のできごとが書かれている。
 アラン・アルバーグの『犬になった少年 イエスならワン』(菊島伊久栄訳/偕成社)を原案に製作されたテレビシリーズを、脚本家自身がノベライズしたもの。実はイタリアにいたとき私はこのシリーズを見ていて、大好きだった。人間のエリックは、小柄で赤毛でそばかすだらけ……という、実に魅力的な男の子。この本にも収録されている自動車レースの話のエリックは、本当に可愛かった(スタート直後、人間から犬に変わり、最後に人間に戻るのだが。変わるときも戻ったときもかわいかった~)。シリーズ途中でパートナーがレイチェルという女の子に替わるが、このレイチェル役の子もボーイッシュでよかった(レイチェルとの物語は、続編『名犬?エリックのゆかいな冒険』に収録)。読みながら、テレビシリーズを思い出して、また見たくなった。日本でも放映してくれないかなと思っているのだが。

もうじき食べごろ?

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実家の庭先のみかんが、今年もたくさん実をつけています。お店で売っているものにはない、少し野性的な味がします。
柚子は、残念ながら不作のもよう。夏に枝を払いすぎてしまったようです。難しいですね。

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