フォト

最近のトラックバック

無料ブログはココログ

« ジェニファー一家、増殖中 | トップページ | 『祝の島』 »

『ミツバチの羽音と地球の回転』

 タイトルは「ミツバチの羽音はどんなに小さくても、地球の回転にすら影響を与えているかもしれない」という意味。
 瀬戸内海に浮かぶ離島、祝島の人々は半農半漁で暮らしてきた。対岸の田ノ浦で中国電力が上関原子力発電所の建設を進めているが、農産物への放射能汚染などの懸念から、島の人々は一貫して反対運動を続けている。
 島にUターンしてきた、島で一番若い働き手、山戸孝さん。その父親で反対運動の導いている山戸貞夫さん。一本釣り漁師の岡本正昭さん。父親の死を機に島に戻って、耕作放棄地で放牧豚を飼う氏本長一さん。四代続く田んぼを守る、林市昭・益江夫妻。島の人たちの生活を断片的に紹介しながら、反対運動を行う様子を描く。反対運動を行うためには、農作業や漁の仕事を休まなければならず、交通費もかかる。それだけ必死なのだ。だが、行政の対応はそっけない。
 対比して、エネルギーの自立をめざす、スウェーデンの様子が紹介される。スウェーデン最北端にあるオーバートオーネオ市では、風力、バイオマスなどを使い、すでに電力の半分を自然エネルギーで賄っている。首都ストックホルムで電気自動車に乗るパー氏は、風力による電気で生活している。スウェーデンでは電気が自由化されており、各自が好きな電気を選べる。かつて南米アマゾンで石油をめぐる戦争を目撃したパー氏は、「汚い電気は使いたくない」と言い切る。
 日本でも、原子力主流のエネルギーを、スウェーデンのように小規模分散型の自然エネルギーに転換させようと活動を続けている、飯田哲也氏のような人がいる。
 反対運動を行う祝島の人たちに向かって、中国電力の人が「第1次産業でずっと生活していけるとお思いですか?」というようなことを言うのには驚いた。第1次産業なしで生活できると思っているのだろうか。「海が汚染されるようなことは絶対にありません」などとも言う。専門家の調査ではすでに生態系の変化が見られ、もし原発が建設され、冷却水が日常的に海に流されるようなことになれば、水温が上がる。それでも何の影響がないと言い切れるのか? 「絶対」という言葉をこんなに軽々しく言える神経にあきれる。
 上関原発は未だに建設中で、福島第一原子力発電所事故が発生しても、建設工事は中止になっていない。スウェーデンに未来を、飯田さんの活動に光を見て、山戸孝さんの姿に希望を感じるが、ハッピーエンドを迎えられるかどうかはわからぬままである。
 公式サイトはこちら

« ジェニファー一家、増殖中 | トップページ | 『祝の島』 »

映画・テレビ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 『ミツバチの羽音と地球の回転』:

« ジェニファー一家、増殖中 | トップページ | 『祝の島』 »