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2014年7月

トークイベント〜百年「と」吉祥寺からはじめる

 7月26日(土)、OLD/NEW SELECT BOOKSHOP 百年のトークイベント、〈百年「と」吉祥寺からはじめる〉を聴きにいきました。5年前、吉祥寺でひとり出版社夏葉社を立ち上げた島田潤一郎さんと、音楽専門の出版社アルテスパブリッシング代表で、吉祥寺在住の鈴木茂さんのお話を伺いました。進行役は百年の店主、樽本樹廣さん。
 印象に残ったのは、やはりお金の話。「お金の支払いをきちんとして、信頼を得る」「印税は納品月に支払う」という島田さんの言葉に強く共感しました。
 個人的には、書店営業のやり方なども、非常に参考になりました。
 島田さんが書かれた『あしたから出版社』(晶文社/就職しないで生きるには21シリーズ)。思わずくすっとしたり、ここまで赤裸々に書いていいの?ととまどったりしますが、青春小説のような趣がありました。おすすめです。

東京大仏

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 板橋区立美術館の前の通りは「東京大仏通り」という名前がついています。先週、成増駅まで歩いて帰る途中「東京大仏はこちら」という表示があり、それなら次に来るときは帰りに寄ってみようと思っていたので、今回はご朱印帳を持参しました。
 東京大仏のある乗蓮寺は、美術館から歩いて5〜6分の閑静な住宅街の中にありました。閉門時間少し前に滑り込み。こちらの大仏様は、奈良・鎌倉に次ぐ日本で3番目の大きさだそうです。本堂を拝み、大仏様を拝んだあと、ご朱印をいただけるかどうか聞いてみました。紙に書いておいたものでよければお渡しします……とのことだったので、そちらをいただきました。

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 帰宅してから、このお寺に植村直己さんのお墓があることを知りました。

 板橋区公式ウェブサイトの板橋十景 東京大仏のページはこちら


講演会「ラテンアメリカの絵本を見てみましょう」〜イタリア・ボローニャ国際絵本原画展より

 すもも祭のあとは、武蔵野線・東武東上線を乗り継いで(「元町・中華街」の行き先表示に、また悔しさをおぼえつつ)、成増からバスに揺られて板橋区立美術館へ。先週に引き続き、今週もイタリア・ボローニャ国際絵本原画展に行きました。目当ては、スペイン語翻訳家・宇野和美さんの講演会「ラテンアメリカの絵本を見てみましょう」。

 前方の席を確保した上で、時間があったのでもう一度展示を見ました。この絵、好き!と思った人たちをとりあえず、メモ。
 Zosia Dzierzawska(ポーランド)
 Rebecca Palmer(イギリス)
 Marco soma'(イタリア)

 時間になったので講演会会場へ。会場には宇野さんの私物と思われるラテンアメリカの絵本(原書・邦訳)が並べてありました。お話しされながら、そのほぼすべてを手にとって説明してくださいました。
 まず、ラテンアメリカ現実、ラテンアメリカの絵本・児童書の出版事情について概略的なことを説明。先日『謎ときガルシア=マルケス』 (木村榮一/新潮選書)を読んで、「ラテンアメリカ文学」というものの歴史の浅さを知りましたが、絵本・児童書出版の歴史も浅く、1980年代ころからだとか。宇野さんご自身は2000年前後にバルセロナに留学されたとき、ラテンアメリカの絵本に出会い、当時は雑誌を定期購読していなければ情報が入ってこなかったそうですが、インターネットが普及した今は比較的簡単に手に入るようになったとのこと。
 国際的な賞を受賞した作家たち、ラテンアメリカ的なユーモアにあふれた作家たち、アルゼンチンコミック(イストリエタ)の影響を感じさせるアルゼンチンの作家たち、各国で活躍する絵本画家たち、その他……とカテゴリーに分けてお話しされ、その都度、絵本を手に取って紹介してくださいました。
 紹介していただいた中では、イバル・ダ・コル(コロンビア)が特に印象に残りました。あと、前から好きだったファビアン・ネグリン。ラテンアメリカはブラジル以外のほとんどがスペイン語圏であるため、コロンビアの作家がアルゼンチンを拠点にしていたり、アルゼンチンの作家の本がメキシコで出版されたりと、国を越えて活動できるのがいいですね。お話をうかがっている限りでは、メキシコ、アルゼンチンがラテンアメリカでは児童文学先進国だという印象を受けました。
 ラテンアメリカの絵本は英米の絵本づくりとは全く違うところから始まっているため、英米の絵本になじんでいる日本の読者には受け入れてもらえないのではないか思う本が少なくないとのことでした。
 

すもも祭

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 7月20日は大国魂神社のすもも祭。3年前、行こうと思っていたのに、台風のため断念。一昨年はすっかり忘れ、昨年は行こうと思いつつ、家庭内のドタバタに気力・体力を奪われて断念。3年越しに悲願を達成しました。

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 この日しか手に入らないからす団扇・からす扇子の頒布は午前6時より午後9時ごろまで。行ったのは11時ごろでしたが、すでにかなりにぎわっていました。

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 青木屋さん奉納の氷中花(水羊羹入り)。ハンカチをぬらして、顔に当てて涼む人の姿も。

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 からす団扇は初穂料500円。からす扇子は小が1,500円、中が2,000円。限定版(3,000円)もありました。

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 すももは一袋1,000円くらいから。諸般の事情で今回は見送りました。

 参拝後、今日こそこぐま屋珈琲店に寄りたかったけれど、日曜日は12時開店で、こちらの悲願達成は次回に持ち越しとなりました。

読書探偵作文コンクール

 次女が通う高校の新着図書案内を見て驚愕。翻訳書(と思われるの)は『グローバリズムが世界を滅ぼす』『配信の科学者たち』『なぜこの店で買ってしまうのか』『うたかたの日々』のみ。この中で文芸は『うたかたの日々』(早川書房/2002)だけです。ちなみに生徒がリクエストしたようですが、新潮文庫(タイトルは『日々の泡』1998)と光文社古典新訳文庫(2011)も出ている中、これを選んだのには理由があるのでしょうか……(ほかの出版社から別の翻訳者の訳で出ていることを知らなかっただけのような気もします)。
 前置きが長くなりましたが、鉄は熱いうちに打て! 翻訳書になじんでもらうためには小学生のうちに読ませろ! というわけで、読書探偵作文コンクールのお知らせです。今年も募集が始まりました。小学生が対象で、ルールは「翻訳書を読んで、作文を書くだけ」。感想文を書いてもいいし、物語の続きを書いてもいい。絵や工作といったおまけをつけてもいい。しかも、応募者全員にささやかなプレゼントが送られます。
 くわしくは読書探偵作文コンクールの公式サイト公式TwitterFacebookをご覧ください。

講演会「私の絵本づくり」〜イタリア・ボローニャ 国際絵本原画展より

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 板橋区立美術館で開催中の「イタリア・ボローニャ国際絵本原画展」を見にいきました。1年ぶりに東武東上線に乗りましたが、「元町・中華街」という行き先表示を見るたびに、軽く敗北感を感じます……。
 この日を選んだのはポーランドの出版社ヴィトフルニャ(WYTWÓRNIA)社の編集者、マグダレナ・クウォシさんの講演会「私の絵本づくり」があったから。クウォシさんは7月8日(火)~12日(土)の5日間開催されたイラストレーター対象の夏のアトリエの講師として招かれ、会場には前日に終了した夏のアトリエの参加者もちらほらいたようでした。
 ヴィトフルニャ社は2人でやっている小さな出版社で、主流とは外れた、ほかの出版社が出さないような本を出していることで定評があります。ポーランドが共産主義から離れ、自由な風が吹き始めたころに、クウォシさんは大学を卒業し、広告代理店に就職しました。その後10年経ち、結婚して母親になったこともあって、優先したいものが変わり、仕事をかえたくなります。子どもに読ませたいような本がないことに気づき、子どもの本を作れば、必ず買ってくれる人がいる、それなら自分で作ろうと出版社を立ち上げました。
 本を作るときのベースとなったのは、「子どもというものはいない。子どもも人間の一部である」という、ポーランドの医者で児童文学作家、ヤヌシュ・コルチャック言葉でした。子どもをパートナーであるという考えは、常にクウォシさんの本作りの核となっています。
 最初に出版したのが、1960年代に出版された絵本 "O MALARZU RUDYM JAK CEGŁA" の復刻版でした。当時(スターリンの死後)のポーランドは変化の風が吹き、アーチストの間で革新的でありたい、モダンでありたいという欲求が高まっていました。有名なアーチストが子どもの本も手がけていたので、この時代は美しい本がたくさん作られています。作者 Janusz Stanny は100冊以上の絵本を作っていますが、話も書いたのはこの本を含めて3冊だけ。半世紀前に作られたとは思えないようなモダンなデザインが目を引きます。
 復刻版だけでなく、オリジナルな絵本も作っています。広告代理店勤務時代に大勢のイラストレーターやグラフィックデザイナーと知り合っていました。Julian Tuwim というポーランドの国民的詩人が子どものために書いた詩を7人のイラストレーターに革新的に解釈してもらい、斬新な絵で表現してもらった絵本 "TUWIM. WIERSZE DLA DZIECI" は、ボローニャ・ラガッツィ賞を受賞し、自分のやり方は間違っていなかったという自信を与えてくれました。オーケストラの音合わせの時間をテーマにした "Wszystko gra" は、再びボローニャ・ラガッツィ賞を受賞したほか、韓国、メキシコ、ブラジルなどで翻訳出版され、ドイツではドイツ児童文学賞ノンフィクション部門にノミネートされました。最近では愛国主義をテーマにした "KTO TY JESTEŚ?" が話題になっているとか。以上はすべてクウォシさんが企画したものですが、アーチストからの企画の持ち込みも受け付けています。
 1年に5冊程度刊行してきましたが、数を増やそうと、外国の絵本のポーランドへの紹介も進めています。日本の作家では駒形克己さんの作品が刊行されているとのこと。
 1週間ほどの日本滞在は、ほぼ池袋のホテルと成増にある美術館の往復で完結してしまいそうだというお話でしたが、短い期間に地震と台風を経験できたのは、よかったのでしょうか……。

★ヴィトフルニャ社のウェブサイト(ポーランド語)
 http://wytwornia.com/
★上記サイト内の "O MALARZU RUDYM JAK CEGŁA" のページ
 http://wytwornia.com/index.php/s/karta/id/38/ksiazki/o-malarzu-rudym-jak-cegla.htm
★同じく "TUWIM. WIERSZE DLA DZIECI" のページ
 http://wytwornia.com/index.php/s/karta/id/6/ksiazki/tuwim-wiersze-dla-dzieci.htm
★板橋区立美術館のウェブサイト
 http://www.itabashiartmuseum.jp


『地上より永遠に』


 
 新・午前十時の映画祭で上映中の『地上より永遠に』を見てきました。
 太平洋戦争直前、1941年のハワイの基地が舞台。若い上等兵プルーが転属になるところから物語は始まります。ボクシングの腕を見込んでプルーを転属させた大尉は、プルーをボクシング部に誘いますが、プルーは頑に拒みます。友人を失明させたことをきっかけに、ボクシングはやめていたのです。プルーにどうしてもボクシングをやらせたい大尉らの、執拗ないじめが始まります(大尉は命令を下すだけで、実際に手を下すのは部下たちです)。
 DVDのジャケットにもなっているように、デボラ・カーとバート・ランカスターの波打ち際のラブシーンが有名な映画ですが(バート・ランカスターは大尉のすぐ下の部下、曹長の役、デボラ・カーは大尉の妻の役)、それ以上に、フランク・シナトラがある力を頼って復活を成し遂げた映画であることが有名なのではないでしょうか(フランク・シナトラはこの映画でアカデミー助演男優賞を受賞。『ゴッドファーザー』に出てくる俳優はシナトラがモデルだと言われています)。実際に見てみると、パワハラと職場でのいじめ、夫からの目には見えないDVなど、現代にも通じるようなエピソードが満載です。
 物語は真珠湾攻撃でクライマックスを迎えます。日本では12月8日ですが、現地では時差の関係で7日だったのだと改めて知りました。時代のせいか、登場人物が、女の人を含めてやたらと煙草を吸います。同じ題材で今映画を撮っても、ここまで喫煙シーンがあるかどうか。
 プルーは17歳で両親を失い、生きていくために軍隊に入ったのだと語ります。壮絶ないじめにあっても(アメリカ軍が撮影に協力しているので、描写は控えめだそうですが)、恋人に「軍人とは結婚できない」と拒まれても、軍隊はやめられない、ここでしか生きていけないと言います。「アメリカは徴兵制度なんてなくても、軍隊に入るしかない貧困層が入隊してくる」という噂は本当だったのかと思いました。
 何ともやるせない映画でした。

第二回 新・午前十時の映画祭のウェブサイトはこちら
作品紹介ページはこちら

生命の言葉ーー7月

 7月になり、ようやく時間ができたので、神社へ行ってきました。境内で氏子役員懇親会か何かをやるらしく、人が(具体的にいうとおじさんたちが)たくさん。何だか居心地が悪くて、ささっとすませてしまいました。
 さて、7月の生命(いのち)の言葉です。

世の中に人をそだつる心こそ
我をそだつづ心なりけれ

 伊勢皇大神宮の神官だった、荒木田守武(1473〜1549)の言葉です。「人を育てる心は、すなわち自らを育てる心につながる。人を育てることは、自らの成長でもある」とのこと(出典『世中百首』)。東京都神社庁のウェブサイトはこちら
 おみくじは吉でした。おみくじに書かれている言葉は毎回違うけれど、要するに「地道に努力すれば、目標は達成できる」ということが書いてあるような気がします。

『伝説のエンドーくん』

伝説のエンドーくん』(まはら三桃作/小学館)

 中学校の2年生を担当する先生を主人公とする連作短編集。新任の体育教師、学年主任の数学教師、国語教師、英語教師、美術教師、理科教師……と、語り手は作品ごとに代わる。キーになるのは学校に語り継がれる伝説の生徒エンドーくん。エンドーくんの正体は?
 美術教師・北野が語り手の「エンドーくんは、魔王にかつ」がよかった。少し長いけれど、引用。

何かに憑かれたように一気に描き上げた絵が、いつもよいとは限らない。向こう側からやってきた力のままの作品は、乱暴で自己満足にすぎないことも多い。本当によい作品は、そこに自分が現実社会で培ってきた経験なり、感性なり、つまりこちら側の力が加わらなくては出来上がらない。

 校長先生に「補助教科」呼ばわりされ、生徒たちにもないがしろにされている美術を中学校で学ぶ意義は? その答えのひとつが描かれている。
 国語教師・矢島がお金をキーに、教師の仕事は勉強を教えることだけではないとめざめていく、「エンドーくんはお金よりつよし」もよかった。

6月に読んだ本

 駆け込みで何とか4冊。もっと意識して本を読むようにしないと駄目ですね。一般向け、子ども向け、現代もの、古典、原書をランダムに読んでいけたらと思っています。思ってはいるんですけどね。
『秘密の花園』はやまねこ翻訳クラブ・読書会の課題本。去年岩波少年文庫版を読んだので、今回は大人向けに訳してある光文社古典新訳文庫版を読みました。

2014年6月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:1432ページ
ナイス数:26ナイス

孤高の守護神 ゴールキーパー進化論孤高の守護神 ゴールキーパー進化論感想
サッカー黎明期から現代に至るまでのゴールキーパー列伝。選手として一世を風靡したのに晩年は不遇だった人は少なくないらしい。試合中の事故で亡くなったケースは悲しかった。巻末の参考文献に『ディナモ ナチスに消されたフットボーラー』が入っていないのが不思議(ミコラ・トルセビッチについては5ページ強割かれている)。
読了日:6月30日 著者:ジョナサンウィルソン
秘密の花園 (光文社古典新訳文庫)秘密の花園 (光文社古典新訳文庫)感想
庭の描写が素晴らしく、コマドリの描写は愛にあふれている。植物を育てるのには草抜きが重要だとか、雨のあとは草抜きをする絶好の機会だといったアドバイスもあり、なかなか実用的でもある。
読了日:6月23日 著者:バーネット
アンのゆりかご―村岡花子の生涯 (新潮文庫)アンのゆりかご―村岡花子の生涯 (新潮文庫)感想
朝ドラはフィクションだと知って、村岡花子という人をきちんと知りたくなり、手にした。村岡花子の生涯だけでなく、近代日本女性史としても読める。
読了日:6月17日 著者:村岡恵理
はじめてのダンスパーティー (ウサギのフローレンス)はじめてのダンスパーティー (ウサギのフローレンス)
読了日:6月12日 著者:山本和子

読書メーター

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