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『風はめぐる』

 2月から毎月最終日曜日にアップリンクで上映している「映画で旅するイタリア」、第3回『風はめぐる(原題:Il vento fa il suo giro)』(2007年/ジョルジョ・ディリッティ監督)を見にいきました。

 フランス国境に近い、ピエモンテの山村に、フランス人のフィリップが家族とヤギを連れてやってきます。これまでピレネーで暮らしていたのですが、原発ができると知り、安全な土地を探していました。村長を含む村人のほとんどが町で暮らしていて、村は過疎化しています。フィリップ一家は空き家となった家を借り、誰も手入れしない土地にヤギを放牧させます。
 寛大に迎えてくれる人がいた一方で、最初から排他的な人もいて、フィリップのヤギが自分の土地に入って草を食べることを快く思わない人や、ヤギのふんの被害を訴える人もいました。子どもたちは学校で、ヤギ臭いからよく身体を洗うようになどと言われます。見かねた好意的な村の男性が、フィリップに注意を促し、他人の土地にヤギを入れないよう勧めますが、「ただ枯れていくだけの草を食べさせて、何が悪い?」と聞く耳をもちません。排他的な村人に対して異文化を受け入れることも大切だというようなことも言っていましたが、フィリップ自身は他を受け入れません。そして、起こるべきことが起こります……。

 冬から春、夏……と移り変わる風景が非常に美しい映画でした。そして、出てくる人たちは恐ろしい。フィリップ一家がやってくることに最初から一貫して反対だったエンマおばさんの恐ろしさときたら、半端ないです。いやあ、怖かった。監督はフィリップ寄りでも村人寄りでもない、ニュートラルな視点で描いていると思います。わたしは特に感情移入することもなく、どっちもどっちだよなあと思いながら見ていました。
 出演者のほとんどは職業俳優ではなく、素人だとか。イタリア映画ですが、台詞のほとんどはオック語(スペインからイタリア・ピエモンテ州の一部で話されている言語)。残りがイタリア語とフランス語。映後、翻訳を担当された京都ドーナッツクラブの野村雅夫さんによれば、山の麓に住んでいる人と上のほうに住んでいる人とでは訛り具合が違うそうで、ニュアンスを出すのに苦労したそうです。
 ジョルジョ・ディリッティ監督、日本では『やがて来たる者へ(原題:L'uomo che verrà)』が一般公開されています。こちらも怖い話でした。

 映画の公式サイトはこちら

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