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2017年4月

一汁一菜でよいという提案

一汁一菜でよいという提案』(土井善晴著/グラフィック社/2016.10.07)

 夕飯はせめて3品、メインのおかずと副菜2つくらい作りたい!と思いつつ、平日はなかなかそうもいきません。「きのう何食べた?」のシロさんは、毎日一汁三菜作ってるのに〜と嘆いていたら、「漫画だから……」と次女に諭されました。まあ、そうなんだけれどね……。
 さて、『人生がときめく片づけの魔法』が片づけ指南の本ではなく実はスピリチュアル本だったように、この本も料理の本ではなく哲学書。「毎日の食事は、ご飯と具沢山の汁物さえあれば十分」と、一汁三菜の呪いから解き放してくれます。ありがたや〜。
 でもね、おかずを作っておくと、次の日のお弁当に使いまわせるのですよ……。というわけで、我が家で一汁一菜を実行する日は当分来そうにありません。

歌川国芳 21世紀の絵画力

Utagawakuniyoshi_20170410

 府中美術館で開催中の「歌川国芳 21世紀の絵画力」に行ってきました。入場料700円とお手軽価格でしたが、質・数ともに予想を越えた展示内容で、2時間かけてじっくり鑑賞しているうちに、2時間が経過。見終わったあとはお腹がぺこぺこでした。
 浮世絵師は芸術家というよりは職人のような印象で、今でいうと漫画家のような感じ。モデルとなった歌舞伎役者について書かれたものが残っているのですが、「ヒラメ(だったかな)のお造りのように美しい」「カレイの煮物のように……」などという表現が気になりました。なぜ、魚料理に例える……?
 歌川国芳、本当に猫が好きだったのだなあ。ミュージアムショップで「猫飼好五十三疋」の絵はがきを売っていたので、迷わず購入。
 4月11日からは展示が総入れ替えになるので、また行かないと!

明るい夜に出かけて

明るい夜に出かけて』(佐藤多佳子著/新潮社/2016.09.21)

 どこかのインタビューで、佐藤多佳子さんは恋愛以前の関係――本人が恋愛であることに気づいていないような状態――を書くのが好きだというようなことをおっしゃっていました。そういえば、『黄色い目の魚』も『しゃべれどもしゃべれども』も『聖夜』もそうだったなあ。わたし自身、人生で恋愛に重きを置いてこなかったせいか、小説でもドラマでも映画でも恋愛メインの話は苦手で、恋愛以前の関係を描いた話のほうが好きです。社会的なことを描いていたはずのドラマの主軸がいつの間にか主人公の色恋沙汰になっていて、心底腹が立ったこともありました。
 この話で描かれている恋愛以前の二人の関係は、「のだめカンタービレ」の千秋とのだめの関係に似ています。二人とも、お互いがラジオに投稿するネタが好きで、〈職人〉として敬意を払っています。
 この二人の未来の話を読みたいとは思いません。それは読者それぞれが勝手に想像すればいいことですから。

3月に観た映画

 3月に観たのは『3月のライオン 前編』。そういえば、最近、家でDVDで映画を観ることが少なくなったなあ(というか、ほとんどないかも)。
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3月に読んだ本

 3月に読んだ本は11冊。珍しく漫画はゼロで、絵本は6冊。半分以上が絵本だったわけですが、『蜜蜂と遠雷』『ふたつの海のあいだで』といった読み応えのある本を2冊読めたのは収穫でした。
 ここ数年、メルマガでレビューを書くこともなく、読書メーターに記録するだけで終わりにしています。それではよくないので、心に響いた本はなるべくレビューを書くようにしたいと思っています。原書も読んだらレビューを書かないと。思ってはいるのですけれどね。
 
3月の読書メーター読んだ本の数:11読んだページ数:1354ナイス数:67ふたつの海のあいだで (新潮クレスト・ブックス)ふたつの海のあいだで (新潮クレスト・ブックス)感想忘れたころに現れる怖い人たちが何とも不気味。読了日:03月31日 著者:カルミネ アバーテ
イタリアの地方菓子イタリアの地方菓子感想イタリアに長く暮らす著者が、イタリア各州のお菓子を〈創作伝統菓子〉〈修道院生まれのお菓子〉といったカテゴリーに分け、ルーツや味を(ときにはレシピを添えながら)写真入りで紹介。参考文献も(タイトル・著者名のみ、日本語表記ではあるけれど)明記してくれているのはありがたい。2005年3月25日に発行された本がもう絶版で入手困難なのは本当に残念。読了日:03月25日 著者:須山 雄子
大きなかぶ―チェーホフ ショートセレクション (世界ショートセレクション)大きなかぶ―チェーホフ ショートセレクション (世界ショートセレクション)感想訳者あとがきによると、「ロシアでは演劇やコンサートと同じように、詩や小説・小話の朗読会がエンターテインメントとして開かれます」とのこと。チェーホフの短編のいくつかは、読み聞かせるために書かれたのでは?とも。それはそうと、「犬を連れた奥さん」はマイヤ・プリセツカヤの創作バレエで見ただけだけど、こんな話だったのか……。読了日:03月21日 著者:チェーホフ
なかないで、アーサー: てんごくにいった いぬのおはなし (児童書)なかないで、アーサー: てんごくにいった いぬのおはなし (児童書)感想死んでしまった老犬が、天国から飼い主の男の子を気にかける。よくも悪くもキリスト教的かなあ。そのせいか、あまり入り込めなかった。読了日:03月19日 著者:エマ・チチェスター クラーク
蜜蜂と遠雷蜜蜂と遠雷感想『のだめカンタービレ』とか『ルーシー変奏曲』とかいろいろ思い出したけれど、面白かった。「コンクールで入賞すれば、ピアノを買ってもらえる」ってありなのだろうか?読了日:03月18日 著者:恩田 陸
劇場ってどんなところ?劇場ってどんなところ?読了日:03月11日 著者:フロランス デュカトー,岡室 美奈子
リターン 洞くつ壁画のまほう (講談社の翻訳絵本)リターン 洞くつ壁画のまほう (講談社の翻訳絵本)感想シリーズだと知らずに読んだ。わりと好きかも。読了日:03月11日 著者:アーロン・ベッカー
ゆきの なかの りんごゆきの なかの りんご読了日:03月11日 著者:フェリドゥン・オラル
みどりの町をつくろう 災害をのりこえて未来をめざす (福音館の科学シリーズ)みどりの町をつくろう 災害をのりこえて未来をめざす (福音館の科学シリーズ)読了日:03月07日 著者:アラン・ドラモンド
カエルのえいゆうサー・リリパッド―ちっちゃくておっきなぼうけんカエルのえいゆうサー・リリパッド―ちっちゃくておっきなぼうけん感想『とんでもプリンセスとドラゴン』のスピンオフ?読了日:03月07日 著者:アンナ ケンプ
世界食べものマップ世界食べものマップ読了日:03月04日 著者:ジュリア マレルバ,フェーベ シッラーニ
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ふたつの海のあいだで

ふたつの海のあいだで』(カルミネ・アバーテ著/関口英子訳/新潮社/2017.02.25)

 南イタリアのカラブリアにかつて存在していた伝説の宿、《いちじくの館》。かつての主の血を引く男が、再建を果たすべく執念を燃やす――。
 主な語り手はフロリアンという名の青年。ふだんはドイツのハンブルクで暮らし、夏になると母の故郷、南イタリアのカラブリアにやってくる。祖父、ジョルジョ・ベッルーシは強烈な個性の持ち主で、フロリアンは祖父が苦手らしい。
 プロローグ、エピローグのほか、「第一の旅」「第二の旅」「第三の旅」「第四の旅」で構成されている。「第一の旅」では語り手が女性に代わり(語り手の正体は読み進めているうちに判明する)、若き日のジョルジョ・ベッルーシが家を出て、恋する女性に会いにバーリをめざした旅の物語を話し始める。と思いきや、再びフロリアンの語りに戻り、さらに祖父ジョルジョ・ベッルーシが19世紀半ば、まだ《いちじくの館》が存在していたころ、当時の主の息子の物語を話しだしたりする(ちなみにその息子の名前もジョルジョ・ベッルーシ。ややこしい)。
 祖父ジョルジョ・ベッルーシはある日、突然いなくなる。まだ幼かったフロリアンは「おじいちゃんは北イタリアに出稼ぎに行った」と説明を受けるが、大人たちの様子から、それが真実ではないことはわかっていた。この夏を最後に、フロリアンの一家がカラブリアで夏を過ごすことはなくなる。
「第二の旅」はカラブリアからハンブルクに渡ったフロリアンの母、ロザンナの旅。交錯する時間軸もたくさん出てくる登場人物たちがどう結びついているのかも少しずつ把握できるようになり、《いちじくの館》がどうやって焼失したのか? ジョルジョ・ベッルーシはなぜ姿を消したのか?も解明される。背後に恐ろしい組織の存在があり、はっきりと説明されていない分、いっそう不気味さを増す。
「第三の旅」で高校を卒業したフロリアンがドイツからカラブリアに渡り、そして「第四の旅」では……。
 読み終えて印象に残ったのは、何度妨害されても《いちじくの館》再建をあきらめない頑固な老人ジョルジョ・ベッルーシと、彼が若き日に出会い、その後やりとりをしていたわけではないのに不思議な縁で結びついたもうひとりの老人(マイペースで傲慢!)。他人だったら面白い人だと思うだろうけれど、自分の祖父となると話は別。少年時代のフロリアンが反感を抱いたのも無理はない。


後半、フロリアンがちゃんと避妊をしているのかどうか気にしながら読んでいたのだけれど、金魚の池の場面で絶句。四半世紀前、イタリアの新聞でイタリア男性はあれの欧州チャンピオンだというような記事を読んだ記憶があるけれど……。今でもそうなのだろうか。
 
 

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