2020年おすすめランキング
読書メーターで、〈2020年おすすめランキング〉を作ってみました。
ダントツはなんといっても、『ハイパーハードボイルドグルメリポート』(上出遼平著/朝日新聞出版)。今でも折につけて、思い出しています。
『拝啓パンクスノットデッドさま』(石川宏千花作/くもん出版)は、朝日新聞に載っていた丸善本店の書店員・兼森理恵さんのレビューに惹きつけられて、読んでみたら、期待以上によかった。映画『誰も知らない』みたいな物語だけれど、『誰も知らない』みたいな展開にならないのは、パンクがあるから。パンク万歳! 好きなものがあるって、素晴らしい!
『海と山のオムレツ』(カルミネ・アバーテ作/関口英子訳/新潮社)は、美味しそうな表紙を裏切らない本。アルベリアのシェフの言葉が心に残っています。
図書館でたまたま目にとまって借りた『まぬけなワルシャワ旅行』がよかったので、岩波書店から出ているI・B・シンガーの本を片っ端から読みました。手元に置いておきたいのに、『やぎと少年』(工藤幸雄訳/岩波書店)以外、品切れ・重版未定で残念だなあと思っていたら、『お話を運んだ馬』が復刊! 即、特別カバー付きの限定版を買いました。わたしは『もう年はとれない』『もう過去はいらない』(ダニエル・フリードマン作/野口百合子訳/東京創元社)の主人公バック・シャッツや、『サイド・トラック 走るのニガテなぼくのランニング日記』(ダイアナ・ハーモン・アシャー作/武富博子訳/評論社)の主人公ジョセフの祖父、映画『家へ帰ろう』の主人公アブラハムと言った、〈食えないユダヤ人のじいさん〉が好きなのですが、シンガーの作品を読みながら、じいさんたち、ここにいたよ〜!と、涙が出そうになりました。
1990年、サッカーW杯イタリア大会を観にいったとき、行きの飛行機で見た映画『敵、ある愛の物語』はシンガーの小説が原作だと知りました。バーブラ・ストライザインドが映画化した『愛のイエントル』も。
ポーランド生まれのユダヤ人で、のちにアメリカに渡ったシンガーはイディッシュ語で執筆します(若干の例外はありますが)。英語に翻訳される際に、本人いわく、いろいろと抜け落ちてしまうらしいので、原語で読めたらいいけれど、これからイディッシュ語を勉強して、生きているうちに読めるようになるとは思えず……。
宇井真紀子さんの写真展で、自分がアイヌについて何も知らないことを知り、アイヌを知るためには漫画『ゴールデンカムイ』を読むのがよさそうだと思ってから2年あまり経って、ようやく読めました。1巻〜24巻のうち15巻を選んだのは、表紙が月島軍曹だから。
『ゴールデンカムイ』から樺太(サハリン)への興味が募り、『サガレン 樺太/サハリン 境界を旅する』(梯久美子著/KADOKAWA)を読み、そこで知った『流れのほとり』(神沢利子作/福音館書店)がまたよくて。『熱源』(川越宗一作/文藝春秋)はまだ積んでいます。
この秋、近場で宇井真紀子さんの写真展があったのに、知ったのが最終日で、行かれなかったのが心残りです。またやらないかなあ。
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