10月に読んだ本

10月の読書メーター
読んだ本の数:4冊
読んだページ数:504ページ

ダリウスが飛んだ!ダリウスが飛んだ!
幸せだった子どもが、親を失ったことから生活が一転。周囲のいじめに耐えて、ラストは幸せに……という児童文学の定番のような展開はある程度予想がついたけれど、結末には意外な部分もあって、いい意味で裏切られた。
読了日:10月30日 著者:ビル・ハーレイ
ほんとうの空色 (岩波少年文庫)ほんとうの空色 (岩波少年文庫)
今ひとつ入り込めなかった。
読了日:10月29日 著者:バラージュ ベーラ
聖☆おにいさん 4 (モーニングKC)聖☆おにいさん 4 (モーニングKC)
この作者は動物を描くのがうまいと思う。「野良犬といっしょ」、欲しいなあ~。
読了日:10月27日 著者:中村 光
チョコミミ 5 (りぼんマスコットコミックス)チョコミミ 5 (りぼんマスコットコミックス)
意外にも新たな展開が! 
読了日:10月18日 著者:園田 小波

読書メーター

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ジャンニ・ロダーリ

 やまねこ翻訳クラブ発行のメールマガジン、「月刊児童文学翻訳」に約1年ぶりレビューを書かせていだだきました。
 今回取り上げたのは、20世紀イタリアを代表する児童文学作家、ジャンニ・ロダーリの "Favole al telefono" の新訳、『パパの電話を待ちながら』(内田洋子訳/講談社)。短編集です。シュールとナンセンスの中に、子どもたちへの温かい目と平和への熱い思いが込められています。文字数の関係でレビューでは取り上げませんでしたが、何てことない話や、不思議な話も多くて、そっちもすごくいいです。興味をもたれた方は、ぜひご一読を。
 ちなみに、地元の駅ビルにある大型書店では平積みになっていて、我がことのようにうれしく思いました。
 原書はイタリアでは根強い人気を持っているみたいで、この中の数編は挿絵をつけて絵本として、今でも新刊として出版されています。

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漢方薬と食事

岸本葉子の暮らしとごはん』(岸本葉子著/昭文社)を再読したのは、「人間の体の大部分は水でできているから、どんな水を取るのかは大切」という箇所を確認したかったから。 読んだのは3年半前。今回再読して、確認したかった箇所は見当たらなかったのですが、この3年半でわたしの生活がいろいろと変わっていたせいか、漢方薬と食事について書かれていた箇所が印象に残りました。以下、引用します。

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 治る力を増進させるものを、積極的にとる。
 病気の方に、力を与えてしまうものは、避ける。
 そして、漢方薬を服用している人は特にだけれど、それと相反する作用を持つ、すなわち、せっかくの薬のはたらきを現じてしまうものを、とらないようする。
(以上、6ページより引用)
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 2年ほど前から漢方薬を飲んでいます。ずっと同じ種類ではないですが。漢方薬と食事の関係は、考えたことがありませんでした。自分が飲んでいる薬について少し調べてみて、食べるべきものを積極的に取り、食べるべきではないものはできるだけ避けるようにしようと思います。

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科学しかけえほんシリーズ

久しぶりの訳書、『太陽系探検 科学しかけえほんシリーズ 惑星とその果ての旅』(イアン・グラハム文/大日本絵画)が出ました。しかけ絵本ですが、内容は小学校高学年以上対象。子どものころ、今はなき五島プラネタリウムに通った身としては、翻訳作業そのものがしあわせでした。
 なかなかいいお値段ですが、お手に取っていただければうれしいです。

 科学しかけえほんシリーズは、ほかに『海洋探検』(ジェン・グリーン文/すぎもと えみ訳)と『熱・温帯雨林探検』(ジョー・フルマン文/きくちゆみ訳)があります。こちらも合わせてよろしくお願いします。


『海洋探検 科学しかけえほんシリーズ 海岸の潮だまりから水深6000mの深海へ』
(ジェン・グリーン文/すぎもと えみ訳/大日本絵画)

『熱・温帯雨林探検 科学しかけえほんシリーズ 多雨林の4つの階層を生きるさまざまな動植物をのぞいてみよう』
(ジョー・フルマン文/きくち ゆみ訳/大日本絵画)

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『君に届け』アニメ化決定!

『君に届け』がなんとアニメ化! 今秋TV放映されるそうです。
マツジュン=風早でドラマ化といううわさがあったので、アニメでひと安心。
(実写でやるなら、7~8年くらい前の櫻井くんがよいです。)
詳細はまだ不明です。『ハチクロ』のスタッフが作ってくれなら、期待できるのですが。

別冊マーガレット公式サイトはこちら

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山本善次朗と申します 4巻発売

 積読本がたまっているし、図書館から借りた読みかけの本もあるけれど、本日発売の『山本善次朗と申します』4巻を購入、たった今読了。「りぼん」に掲載された話に加えて、描き下ろしがあったのがうれしかった。「全4巻」ではなく「(1)~(4)」となっているので、これで完結というわけではないと思うけれど(速水くんの秘密がまだ明かされていないし)、「りぼん」3月号から新連載が始まるらしいので、続きはどうなるのだろう?

〈追記〉
 4巻の巻末おまけページに、「ヤマゼンはこれから描きおろしたりしてもうちょいコミックス出る予定です」とありました。なので、気長に待とうと思います。早百合ちゃんと橋元くんの話の続きを1年近く待ったんだから……待てるよ。

 

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完敗!

 相葉くん主演の舞台『グリーンフィンガーズ』、見たかったのですが、ファンクラブの抽選ではずれてしまいました。あきらめずにチケットぴあにも挑戦したのですが、やっと電話がつながったら、予定枚数の販売終了というメッセージが流れただけ……。相葉ファンのNのためにも何とか手に入れてやりたかったけれど(涙)。Nはファンクラブではずれた時点であきらめていたみたいでした。
 思えば、国立は運よく(ビギナーズラックで?)当選して、生嵐を拝めたけれど、今年はどうなんでしょう?

 さて、長らく休載中の『山本善次朗と申します』、今月15日に4巻が出るようです。「りぼん」を読んでいないので連載再開されるのかどうかはわかりませんが、吉兆とみていいのでしょうか? 

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夏から夏へ

 時間が取れたので、ようやく読めました。忙しい中、細切れの時間を作り出して少しずつ読むよりは、一気に読みたかった。仕事その他が一段落して、まとまった時間が取れ、ようやく手にできました。
 ところで、わたしは中学2年の途中から卒業するまで陸上部にいました(入学時、陸上部はまだありませんでした)。熱心な顧問がいるわけでもなく、中学生が手探りの状態でやっていただけ。その後入学した高校には陸上部はありませんでした。陸上部に籍を置きながら適当に過ごしてしまったことを、この本を読んで後悔しました。もっときちんと陸上に向き合えばよかった――そう思いました。そう思ってしまうほど、この本はよかった。
 個人的には、丁寧な取材に基づいて書かれながらも、基本的な姿勢はミーハーというところに親近感をおぼえました。著者の佐藤多佳子さんは、取材を始めるにあたって、『一瞬の風になれ』を名刺代わりに配ったそうです。末続慎吾選手は前から持っていたそうで、本職の人が面白いと思うなんて、やっぱりすごい!

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山本善次朗と申します

山本善次朗と申します』(槇ようこ作/集英社 りぼんマスコットコミックス)

 今日は「りぼん」8月号の発売日。「山本善次朗と申します」は相変わらず休載で本当に残念。このまま続きが描かれないというようなことのないよう、祈っています。我が家ではこの漫画がドラマになったら、主人公の父で、タイトルにもなっている山本善次朗役は嵐の櫻井翔くんしかない!ということで意見が一致しています。思わず、頭の中で山善=櫻井くんにキャスティングしながら読み直してしまいました。まことは相葉くんがいいな……2~3年前くらいの。ちなみに、『3月のライオン』の主人公、桐山零は、5年くらい前の二宮くんにやって欲しかった。こういうキャスティングは妄想でしかできません。非常に残念ですが。
 家で「りぼん」を買うようになったのはNが小5のときからだから、もう今年で6年目。だんだん読むところがなくなってきたし、そろそろ潮時かな……。
 

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シンデレラ・ティース

『シンデレラ・ティース』(坂木司作/光文社)

 大学2年生の夏休み、叶咲子は歯科医院で受付のアルバイトをすることになった。子どものころの体験のため歯医者嫌いなのだが、母の陰謀(?)により歯科医院とは知らずに話を聞きに行き、断りきれずに採用されてしまったのだ。
 連作短編集で、毎回患者さんをめぐって、事件とはいえないような事件が起きる。解決の糸口を見つけるのは歯科技工士の四谷さんという無愛想な男性。ひとつひとつの出来事を通して、患者さんの気持ちを知り、歯の治療にかかわる人たちの真摯な気持ちを理解するうちに、咲子にも少しずつ変化が訪れ、最後にある決断をする。
 少し前に読んだ『ホテル・ジューシー』の姉妹編。合わせて読むと、あのときのメールや電話の向こうではこんなことが起きていたのかとわかって、より楽しめます。

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ホテルジューシー

ホテルジューシー』(坂木司作/角川書店)

 柿生浩美は、卒業旅行の資金稼ぎに石垣島のプチホテルでひと夏バイトをする予定が、なぜか那覇の裏通りにある安ホテルで働くことになる。しかも、昼間は頼りにならないオーナー代理、通いで朝食を作りにくる女性、掃除担当の双子のおばあさんのほか、従業員は自分ひとり。正義感が強く、弟や妹の世話をしながら、しっかりもののお姉さんとして育ってきた浩美は、周囲の人間や沖縄全体のいい加減さにときどきいらいらとしながらも、少しずつ順応していく。
 連作短編集の形になっていて、毎回ホテルのお客さんなどをめぐって、ちょっとした事件が起きる。浩美は持ち前のしっかりもののお姉さん精神で口出しするが、うまくいったり、いかなかったり。沖縄をイタリア、本土を日本に置き換えると、重なるところが少なくなく、浩美の感じることは、イタリアで暮らしていたころの私の気持ちに似ていた。いろいろと思うところはあるけれど、ここでは省略。
 印象に残ったのは、旅を終えて、退屈な仕事の日々に戻る東京在住の女性の「でも、退屈な日々があってこそ旅は輝くものだし」という言葉。この先のことを少し、真剣に考えた。

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食堂かたつむり

食堂かたつむり』(小川糸作/ポプラ社)

 ようやく読めました。いえ、読んだのは少し前なのですが。
 お金と恋人と声を失った倫子さんは、ほかに選択肢がなかったため十数年ぶりに故郷に帰ります。母親の買っているブタのエルメス(命名理由はブランド名にあらず)の世話をするという条件で、場所を提供してもらい、食堂を始めます。
 読みながら、前に読んだあの本(イラスト満載のノンフィクション)やこの本(アメリカの作家の人気シリーズ第1作)などを思い出しました。倫子さんの料理を食べると願いが叶うと評判になるのですが、特別な材料を使っているわけではありません。地元で取れる旬の食材を使っているだけ。これがいいなと思いました。

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世界変人型録

世界変人型録』(ジェイ・ロバート・ナッシュ著/小鷹信光編訳/草思社)

 仕事で調べものをしていて見つけた本。仕事が一段落したので読んでみました。
 取り上げられている人たちのほとんどは、あまり近づきになりたくない人たちばかりですが、「いたずらの天才ぶりを発揮した挿絵画家」ヒュー・トロイや「いたずら好きで喧嘩っぱやい大映画監督」ジョン・ヒューストンは「こういう人、好きだな」と思いました。第一次大戦中、軍隊に入ったトロイが、「トイレットペーパーの消費量からくずかごの使用状態に至るまで報告する」ばかばかしさにうんざりして、そのばからしさを示すため、わざと兵舎で使われているハエトリ紙についたハエの数を毎日ワシントンに報告したところ、「ほかの部隊もハエの数を報告するように」というお達しが出たそうです。ヒューストンは自分が初めて監督した映画に特別出演してくれた父親に、「脇役なのに演技がオーバーなので、取り直すことになりました」とうその電話をかけてからかったりします。ヒューストンの遺作、『ザ・デッド』は好きだったな……(あの映画のアンジェリカ・ヒューストンは美しかった)。

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今年最初の

今年最初の

 実家の庭で、今年最初のチューリップが咲きました。

 昨日は、仕事もしつつ、『君に届け』の6巻を読み、夜は「プロポーズ大作戦」を(途中から)見ました。そのせいか、(長澤まさみの母親をやっていた)宮崎美子さんが(『君に届け』の主人公)爽子のお母さんに見えてきて、Nも同意してくれました。父親役の森本レオさんはお父さんじゃないよね~ということでも、意見が一致(お父さん役、酒井敏也さんなんて、どうかでしょうか? けっしてドラマ化を望んでいるわけではないのですが、ついついキャスティングしてしまう、悲しい性……)。宮崎美子さんも森本レオさんも、いい声しているのですよね~。

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野生動物と共存できるか

野生動物と共存できるか』(高槻成規著/岩波ジュニア新書)

 人間と野生動物が共存していくために、バランスを保つことが必要で、頭数を抑えることが必要だということ。ときには駆除することもあるそうです。頭ではわかっていても、保護と駆除とが結びつきません。
 中でも、軽井沢で環境教育を行っているピッキオという企業が、3年ほど追跡調査していたツキノワグマのスポットを安楽死させなければならなかったエピソードはショックでした。でも、ゴミなしでは生活できなくなった大きなクマが、人に危害を加える危険性があるとわかると、感情に流されず、安楽死を決断する――野生動物との共存を本気でめざすなら、それくらいの覚悟が必要だということでしょう。
 漁業に被害を与えるラッコを駆除したら、漁獲高が増えるどころか逆に減ってしまった……というエピソードも印象に残りました。

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3月のライオン

 修理に出していたNの携帯を取りに行くついでに、こちらのお店で紅茶を買い(いつもながら試飲もさせていただき)、さらに書店に寄ったら、新刊コーナーに平積みされていた『3月のライオン 』(羽海野チカ作/白泉社ジェッツコミックス)と目が合いました。地元の書店では見当たらず、版元サイトに「在庫なし 重版:08.03.12」とあるので、重版されるのを待つつもりだったのですが、思わず手に入れることができました。
 主人公の桐山零は、17歳のプロ棋士。なぜこの題材を選んだかについて、作者はあとがきで「ただ気になってしまったんですよ。どうしても」と書かれています。『ハチミツとクローバー』でも、人並みはずれた才能を持つことや、そういったものとどうやって向き合っていくかというようなことが描かれていたので、通じるところがあると感じました。
 ちなみに、「おまけ あかりねいちゃんと私」で、あかりさんのワンピースと同じ柄のパンツをはいているとーちゃんが出てくる漫画は我が家にあります。何巻の何ページに出てきたのかは調べていませんが。
 第1話、幸田と対局する部屋にかかっていた掛け軸が「平常心是道」だったのには、さだめを感じました。雑誌連載時でも、単行本発売直後でもなく、今読むことになったのは、理由があったのかもしれません。

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ふたたび『一瞬の風になれ』

 読み終えたあとも、いろいろと反芻しています。この1年以内に読んだ本でこんな気持ちにさせられたものがほかにもあったような気がして、記憶を手繰り寄せました。そう、吉田秋生さんの『海街diary 1 蝉時雨のやむ頃』を読んだときも、しばらくの間、いろいろと反芻していたのでした(神奈川県つながり、多少のサッカーつながり……かな? ジーコ&ロナウジージョ夫妻の肉屋には、爆笑しました)。
 先に読み終えたNと「登場人物ではだれが好き?」「ネギとモモッチ、いいよね~」とか、話をしました。同じ本を読んだ人と話をすると、2倍、3倍、楽しめます。仙波、高梨といった、ライバルたちもよかったなぁ……。いろいろなスポーツを見てきて、同世代の選手たちの「ライバルだけど友だち、でもライバル(こいつにだけは絶対に負けたくない!)」みたいな関係を見てきましたが、そこに至るまでの過程を、この小説を読みながら目撃できたような気がします。
 中学時代陸上部で短距離を専門としていた私は、読みながらかつての自分を追体験しておりました……というのはうそです。コーチも、陸上経験者の顧問もおらず、私が2年生のときにできたばかりだったのでOB、OGもおらず、実にゆるいクラブでした。でも、年1回開催されていた、区の中学校連合陸上競技会の前に、出場する選手だけで朝・夕、日曜日などに練習したときのことなどを思い出して、懐かしくなりました。

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ゆず大根と『一瞬の風になれ』

 有機野菜の宅配で届いた大根があったので、ゆず大根を作って見ました。ゆずは実家の庭から取ってきました。拍子切りにした大根をタッパーに入れて、千切りにしたゆずの皮、ゆずの絞り汁、塩、砂糖、酢を入れて、ときどきゆすりながら冷蔵庫で半日寝かせるだけ。簡単です。小さめの大根半分が、あっという間に消えてしまいました。はまりそうです。
 やっと、『一瞬の風になれ 』を読みました。スプリンターの素質はあるけれど、陸上初心者の高校生が、インターハイで戦えるレベルになるにはそれ相応の時間がかかります。自分にも周囲にもあれこれ起きて、肉体的にも精神的にも成長して、ようやくたどりつける場所。そこまでの過程が丁寧に描かれています。きちんと取材したんだろうなあと思います。増田明美さんが『カゼヲキル』のあとがきで、「マラソンは距離が長いだけ、走れるようになるまで時間がかかる」と書いていました。『カゼヲキル』の主人公美岬は長距離ランナーとしての素質を認められた中学生ですが、いきなりマラソンを走って、世間の注目を集めたりはしません。自身がマラソンランナーであった増田さんが、そんなおとぎ話のような話を書けるわけがないのです。『一瞬の風になれ』には、そんなおとぎ話のような要素はありません。だからこそ、ひきつけられました。
 それはともかく、「BEAUTY MUSCLES」と「天パT」には爆笑。人前で読んでいるというのに、思わず吹きだしてしまいました。
 今週月曜日から木曜日まで、4夜連続でドラマが放映されているようですが、たまたま読んだ時期が重なっただけで、ドラマは見ていません。先に読み終えたNが「(キャスティングが)イメージじゃない」とぼやいていたせいでもあり、予告スポットを見て、金髪じゃない新二に違和感があったせいでもあり……。

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リリー・モラハンのうそ

リリー・モラハンのうそ』(パトリシア・ライリー・ギフ作/もりうちすみこ訳/さ・え・ら・書房)

 1944年夏。少女リリーは毎年のように、ニューヨーク郊外の避暑地に夏を過ごしにやってきた。父は戦場は行ってしまったので、今年の夏は祖母と2人きり。親友マーガレットも家族と一緒にデトロイトへ行ってしまい、遊び相手がいなくなったリリーの前に現れたのは、ハンガリーからやってきた少年、アルバート。ナチスと戦うスパイのおばがいるなど、すぐにうそをついてしまうくせのあるリリーは、やめようと思いながら、ついアルバートにうその話をしてしまった。アルバートはリリーの話を信じ、リリーはそれがうそだとは言えないまま、アルバートを手伝う約束をしてしまう。それが思いがけない事態を引き起こすことになる。
 巻末の「読者のみなさんへ」によると、この物語には作者の自伝的な要素が含まれているようである。うそをつくくせがあることはよくないことだが、うまく導けば作家がひとり誕生する。シスター・ベネディクタのような教師にめぐりあえたリリーは幸せだ。もちろん、アルバートのような友人と出会ったことも。

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花になった子どもたち

花になった子どもたち』(ジャネット・テーラー・ライル作/多賀京子訳/福音館)

 こちらでの紹介を読んでからずっと気になっていたのですが、ようやく読むことができました。
 母親を病気で亡くしたオリヴィアとネリーは、父が出張している間、父のおばであるミンティーおばさんのところへ預けられることになりました。ミンティーおばさんは子どもを育てたことがないため、子どものことをよく知りません。また、ネリーは特別扱いにくい子どもで、「階段の昇り降りは後ろ向きで」といったような自分のルールを持っていて、そのルールに反するようなことをされると激しく荒れます。ミンティーおばさんはたびたびネリーの落とし穴に落ちたり、落ちそうになったりするので、そうならならいようにオリヴィアは気を配っています。
 ミンティーおばさんの家には、かつて作家が住んでいました。オリヴィアとネリーがミンティーおばさんを庭仕事を手伝ってティーカップを見つけた数日後、オリヴィアはその作家が書いた『花になった子どもたち』という本を見つけます。庭で見つけたティーカップは、本の挿絵に描かれているものと同じでした。オリヴィアにこの本を読んでもらったネリーは、本に書かれていることが実際に起きたことだと信じ、ほかに埋められたティーカップを探します。
 母親のいない年の離れた姉妹の物語、ということで、『となりのトトロ』のサツキとメイを思い浮かべました。ネリーはメイよりも2つくらい上ですが、オリヴィアはサツキと同い年のはず。妹のことはだれよりもわかっていると自負し、大人のこともわかっているつもりになっていますが、その実は不安でいっぱいで、母が恋しくてたまらない。そんなところがサツキと重なりました。
 ジャネット・テーラー・ライルの作品を読んだのは、未訳のものを含めてこれが4作目。どれも現実世界のリアルな展開とファンタジー的な部分のバランスが見事です。邦訳作品を読みつくしてしまったので、少しずつ未訳に手を出していこうかと思います。

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日本の古典を読む

日本の古典を読む』全20冊(小学館)

 近所の書店の店頭で第15巻『宇治拾遺物語・十訓抄 』を見かけ、表紙のかわいらしさに思わず手に取ってしまいました。ああ、全巻欲しい……。
 出版社のサイトはこちら

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リスの王国

『リスの王国 ミンクテイルたちの森』(ジャネット・テイラー・ライル作/金原瑞人訳/講談社)

 森の中は上と下の世界に分かれていた。上の世界はリスたちの世界だった。中でも「ミンクテイル」と呼ばれる一族は、たくましさと知恵を兼ね備え、一目を置かれる存在だった。ブラウンナットとウッドバインは「ミンクテイル」の姉弟で、賢くて大胆な姉に比べて、弟のほうは夢見がちで少し臆病。リスたちは争いを好まず、平和に暮らしてきた。ある日、少女アンバーが森で一晩過ごすまでは……。
 リスたちの住む「上の世界」とアンバーたち人間の住む「下の世界」が交互に描かれる。ブラウンナットとウットバイン、アンバーとウェンデル、上の世界と下の世界の姉弟が、似通っていて面白い。クライマックスで登場するスパーク教授の正体には、作者の皮肉がこめられているような気がする。
 原書のタイトルは "Forest"。上の世界で最終決定をするのは長老たちで、王はいないので、『~王国』という邦題はどうかと思うのだが。

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先生と僕

先生と僕』(坂木司作/双葉社)

 伊藤二葉は極度の怖がりであるが、大学に入って初めてできた友人、山田に誘われるままに推理小説研究会に入ってしまった。「怖くないから」と山田に勧められて、公園のベンチで江戸川乱歩の『屋根裏の散歩者』を読んでいると、自分の家庭教師をやってくれないかと中学生に声をかけられた。それが、二葉と先生――瀬川隼人との出会いだった。
 私立中学に通う隼人は、頭脳明晰で洞察力がある。家が金持ちなので、金持ちならではの経験と知識もあり、おまけに容姿端麗。対する二葉は地方の兼業農家の次男として生まれ、平凡に暮らしてきた。ただし、暗記には非凡な能力があり、見たもののを写真のように記憶することができる。この2人が、高校生の万引きを見つけたり、火災の起きたカラオケ店から消えた少女たちの行方を推理したりする。
 同じ作者の「ひきこもり探偵」シリーズが好きだったので読んでみた。「ひきこもり」と同様、こちらも短編連作で、刑事事件にならない事件(とは言い切れないものも一部あるが)を推理していく。子どものころに「少年探偵団」シリーズに親しんだ私は、それなりにミステリー好きになったはずなのだが、ここ数年好んで読むのは、こういった日常生活のミステリーを推理するものが多い。二葉が隼人に勧められていろいろと読むのに触発されて、私も古典的な作品が読みたくなった。家にある『世界短編傑作集 1~5』(江戸川乱歩編/創元推理文庫)を久しぶりに読み直してみようかな。

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いまさら『ラブ★コン』

 ようやく映画版『ラブ★コン』を見ました。2006年夏公開だったのですね。DVDが発売されたのも去年の1月。借りようと思うといつも貸し出し中で、ようやく借りられました。家族4人で見ました。思えば、この漫画も家族4人で楽しんだっけ。
 リサ役の子がイメージではなかったため、ほとんど期待せずに、「原作とは別物」と思って見ました。でも、藤澤恵麻さん、結構よかったです。台詞回しやテンポがリサっぽかったのかな。しかし、リサと大谷の周りの友人たちは本当に「原作とは別物」でした。谷原章介さん演じるマイティは、娘たちは「何これ、キモイ」と言っていましたが、旦那と私は大笑い。谷原章介さん、いい声しているんですよね~。
 全巻読み直したくなりましたが、今はほかにやることがつまっているので、あとにしておきます。

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『アース』を見てきました

 小学校が学校公開週間の振り替えで休みだったので、Yと2人で念願の『アース』を見に行きました。映画館のポイントカードがたまったため、私は無料。小学生のYは特別料金500円。普通なら2,800円かかるところを、たったの500円で見られました。
 映画は期待通りでした。ただ、最後の「今なら、まだ間に合う」というメッセージは、なくてもよかったのでは? わざわざ言葉にしなくても、それまでの映像で十分に伝わっていると思うのですが。

 我が家の4人ではまっているもうひとつの漫画、『山本善次朗と申します』の3巻を購入。映画とかドラマとかアニメとかにしないで欲しいね~と言いながらも、もしドラマ化されたら、善次朗は誰がやるんだろう? 幽霊はCG?などと話したりしています。

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君に届け

君に届け』(椎名軽穂作/集英社マーガレットコミックス)

 黒沼爽子は、見た目が陰気さと髪型のせいで、小学生のころから「貞子」と呼ばれ周囲に怖がられてきた。高校に入学し、見た目で判断せずに優しく接してくれる風早翔太と出会ったことをきっかけに、友達もでき、周囲に少しずつとけこんでいく。「別冊マーガレット」に連載中。単行本は5巻まで刊行。公式サイトはこちら
 今、我が家4人ではまっている漫画。宝島社の「このマンガがすごい!」2008年版オンナ編の1位作品だそうです。連載中の漫画だし、どういうところが好きなのかということを書くとネタバレになってしまうので割愛します。人気のある漫画はすぐにドラマ化されたり、映画化されたりしますが、この作品はできれば、そんなことのないように願っています。

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聖☆おにいさん

聖☆おにいさん』(中村光作/講談社モーニングKC)

 ブッダとイエスがバカンスを満喫しようと、東京・立川の木造アパートで共同生活するという話。漫画です。
 2人で浅草に行ったり、東京ディズニーランドに行ったり、夏祭りに行ったり、下界の生活を楽しみますが、勘違いされたり、トラブルに巻き込まれたりもします。ブッダが徳の高いことを言うと後光が差し、イエスが何かを我慢するたびに聖痕が浮かび上がります。
 新聞の書評での紹介文を読んだ旦那が、「これ、面白そうだな」とつぶやいていたので、買ってきてあげました。読みながら、声を出して笑っていました。でも、元ネタとなる知識を知らないと笑えないかもしれません。というわけで、我が家の子どもたちにはこの面白さがわかってもらえないのが残念です。
 きれいにラッピングして、2月14日にチョコレートを添えてプレゼントすればよかった! 自分も読みたかったので、ちょっと早まりました。ま、いいか。

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立春

 昨日は立春。仕事も一段落したし、天中殺も明けたし……ということで、気分を一新したくて髪を切りました。ここ2年間くらいだらだらと中途半端に伸ばしていたのですが、「毛先をそろえるだけ」はやめて、思い切ってバッサリと。身も心も軽くなりましたが、今は真冬……。寒いです(笑)。

 以前読んだ未訳の作品がよかったのと、こちらで紹介されていた『花になった子どもたち』が面白そうだったので、ジャネット・テーラー・ライルの『エルフたちの午後』(宮下嶺夫訳/評論社)を読みました。9歳のヒラリーと、2つ年上のサラケート、少女ふたりの奇妙な友情の物語で、1990年ニューベリー賞オナーです。エルフが手入れしていない庭を好むのなら、わが実家の庭にも何か住んでいるかもしれません。

 1年越しでようやく「相棒」Season 5 の最終回、「サザンカの咲く頃」を見ました。シーズン最高視聴率だったそうです。私の最近のお気に入りキャラは大河内さんです。
 これを見たすぐあとに録画していてそのままになっていた「鹿男あをによし」の第1回を(若干早送りで)見たのですが、「相棒」で警察庁長官をやっていた夏八木勲さんが、こちらでは内閣総理大臣……。奈良が舞台なのに、みんな標準語をしゃべっているんですね。佐々木蔵之介さん、関西弁しゃべらないんだ~と、ちょっとがっかりしました。

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リボン

『リボン』(草野たき作/ポプラ社)

 亜樹の所属する卓球部では、卒業式で先輩からリボンをもらう慣習がある。人気があるのは彼氏もちの先輩。そもそも卓球部は、一般的に彼氏の欲しい女の子が入るクラブだった。リボンがもらえない先輩がいたらかわいそうという部長の提案で、それぞれ担当を決めた。亜樹の担当は彼氏もいなければ、公式戦で一度も勝てなかった池橋先輩。しかし池橋先輩は亜樹にリボンをくれなかった。
 言いたいことをいう姉が母としょっちゅうけんかしているのを見て、亜樹は周囲に合わせ、波風を立てないことを何よりも優先してきた。しかし、池橋先輩に本心を見抜かれてから、亜樹の中で何かが変わり始める。
 進研ゼミの中3受験講座「中3チャレンジ組」の連載に加筆修正したものだそうで、登場人物が進研ゼミを受講しているようなエピソードはさすがにないが、主人公が塾に行かず(途中、不本意ながら大学生の家庭教師につくこともあるが)家庭学習重視なのは、そのせいだろうか。努力がそのまま結果に結びつかなかったり、友だちに裏切られたり、目標にしていた姉が方向転換してしまったり、いろいろと悩むが、中3の1年間なんてあっという間に終わる。
 お弁当を誰と一緒に食べるかというエピソードが出てくるが、私の中学は給食で、グループで集まったりせずに、みんな普通に自分の席で食べていた。高校ではお弁当で、気がついたらクラスにグループができていて、私はひとりで食べることになってしまった。休み時間は本を読んでいたし、テレビを見ていなかったのでクラスメートとの共通の話題もなく、入学後1か月間はまともな会話をしなかった。でも、1年生も半分過ぎるころにはとても話が合う友達ができた。数10年ぶりにそんなことを思い出した。
 

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Stefano Benni

 一昨年の秋、吹奏楽の作曲コンクールというものを聴きに行きました。ちなみに指揮はクラリネット奏者のポール・メイエ。最終選考に残った4曲の中に、イタロ・カルヴィーノの『マルコ・ポーロの見えない都市』にインスピレーションを受けたという曲があり、プログラムにそのあらすじが載っていました。この話も面白そうだと思ったのですが、以前読んだ、Stefano Benni の "Il bar sotto il mare" という短編集を思い出して読み返したくなりました。海の底にあるバール(Bar)に集まった客が、ひとりひとつずつ物語を聞かせるという形式になっていて、本全体がひとつの物語にもなっています。
 1年以上経って、『マルコ・ポーロの見えない都市』も "Il bar sotto il mare" も、まだ読んでいないのには我ながらあきれます。先日、以前通っていたイタリア語学校の4月からのクラスの案内が届きました。購読のクラスで来年度は Stefano Benni の作品を読むと知って、行きたくなりました。しかし、平日の午後のクラスだし、授業料が……。悩みます……って、答えはもう出ているのですが。

追記
日伊協会のイタリア語講座でも、Stefano Benni の短編集を読むクラスが開講されるようです。こちらの講座にも興味深いクラスがいろいろとありますが、Yのピアノやスイミングの送迎と重なるものばかりなので難しいですね。

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ネズミ父さん大ピンチ!

『ネズミ父さん大ピンチ!』(ジェフリー・ガイ作/ないとうふみこ訳/勝田伸一絵/徳間書店)

 ハツカネズミの父さん、アナクグリは人間の家の壁の中に住んでいます。新しく引っ越してきた人間はネズミがいるのを知ると、ネズミ捕りをしかけ、黒ネコ、ハンニバルを連れて来ます。次々と犠牲者が出る中、アナクグリはハンニバルと協定を結びます。それは、ドブネズミをハンニバルに捕まえさせる代わりに、アナクグリたちのことを襲わずにいること。アナクグリはドブネズミを探しに出かけます。
 あまりにも続々と犠牲者が出るのでびっくり。でも、この設定で全く犠牲者が出なかったら、うそ臭くて話に入り込めなかったかも。ピーターラビットのお父さんもマクレガーさんの奥さんにパイにされているし、子ども向けといえど(子ども向けだからこそ?)、この程度のリアリティーは必要でしょう。ヒーローは大丈夫というお約束は守っていますし。2つの話が収録されていて、2つめの話では犬がやってきて、人間一家に赤ん坊が生まれます。
 さて、この作品の対象年齢は小学校低中学年以上なので、Yはどんぴしゃりなのですが、ネズミよりもネコよりも犬が好きなので、読みたくないそうです。確かに、犬のシーザーはちょっと気の毒でした。

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25万が10万に

 Yが「怖い夢を見た~」と起きてきた。近所のドラッグストアに行く途中、旦那が何者かに誘拐され、身代金25万円(!)を要求する電話がかかってきたが、無視していると誘拐犯が家にまでやってくる。目出し帽とかストッキングなどはかぶらず、素顔をさらしたままで、ごく普通のおじさん。私が「10万に負けてもらえませんか?」と聞くと、「いいよ」と笑顔であっさり承諾。そして、身代金を払う前に旦那は解放されたのだという。この夢のどこが怖いのかと聞いたら、「誘拐犯の笑顔」だそうで。私は、「旦那の身代金を値切る女」とYの潜在意識にインプットされていることがショックでした。そういえば、「パパのこと、もっと大事にしてね」と言っているっけ。反省します。

 前から読みたかった『タルト・タタンの夢』(近藤史恵作/東京創元社)を読了。こういう、ミステリーでないようなミステリーの連絡短編というのがすごく好き(「成風堂書店事件メモ」シリーズとか、「ひきこもり探偵」シリーズとか)。この本を読んでフランス料理が食べたくなった、というようなことはないのですが、ヴァン・ショーはちょっと飲んでみたくなりました。

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読書タイム

 昨日は25日だったので、午前中、Nを送り出したあとは銀行めぐり。仕事を一段落させてから、『妖怪アパートの幽雅な日常 8』を持って出かけました。電車を待つ間や、電車の中や、ATMの列に並びながら読んで、帰宅するころには読み終えていました。主人公、稲葉夕士も高校3年生。1巻が高1、2巻~7巻が高2で、この8巻が高3の春~夏休み明けまでの話。シリーズにも終わりが見えてきました。いつもながら、読むたびにお腹がすく話です。ちなみに、これまで出てきた料理の中で思わず実際に試してみたのは、しょうが醤油につけたかつおの刺身をご飯に乗せて、ほうじ茶をかけたお茶漬け。絶品でした。
 帰宅後、仕事を終えてから、耳鼻科へ。待合室のお供は『バレエ・アカデミア3 バレリーナの恋人は、天使!?』。実はこのシリーズ、3巻までは原書で読んでいます。日本の出版社のサイトによると、この本は小学校高学年向けで、原書の出版社のサイトでは「9歳以上」……ということは、小3がこれを読むということ? ゾーエたちは日本の小6くらいの年齢ですが、デイヴィッド・アーモンドの『肩胛骨は翼のなごり』や『星を数えて』のことを話したり、ゆびわをプレゼントされたり、日本の小6と比べていろいろな意味でずいぶんと大人っぽい気がします。原書は2月に13作目が出るようです。

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英文の読み方

『英文の読み方』(行方昭夫著/岩波新書)
 
 図書館で借りて読んだのですが、これは手元に置いておくべき本だと思いました。英語で書かれた文章の読み方を教える本ですが、他の言語でも応用できます。他の言語は英語ほど辞書が充実していないのが難点ですけれど。
 でも、日本語でまともに本を読んでいない人にとっては、外国語で書かれた文章を読むなんて無理ですね。まず、母国語での読解力をしっかりとつけることが大切です。イタリア語を習い始めたころ、語学学校で同じクラスの女性がイタリア人教師に「しゃべれるようになりますか?」と聞いたら、「あなたはおしゃべり? だったら、大丈夫。しゃべれるようになるわ」という答が返ってきたのが忘れられません。母国語でできることは外国語でもできますが、母国語でできないことは外国語でもできません。

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イタリアの児童文学を読む

 しばらく休んでいましたが、ようやく更新しました。YAが続いたあと、久々の小学校中学年以上向け作品、「ラウラの日記」シリーズの3作目です。1作目は邦訳が出ていますが、いい話なので、2作目、3作目も邦訳を出して欲しいものです。レビューはこちら

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なあ~んだ、そうだったのか。

 昼休みに会社の近所の書店で『その後のツレがうつになりまして。 』を衝動買いし、昼休み中に読み終わりました。奥付の発売日は去年の11月で、早くも第5刷。厳密にいうと、平積みされていた2冊のうち、上にあったのが第5刷、私が買ったのはその下にあった第4刷でしたけれど。
 本を出したら、「実はうちの主人もうつ病なんですよ」と告げられたり、まわりにうつの人が結構いたというエピソードは、私も似たような経験があります。うちのNは不登校だった時期があって(その当時のことはまだ思い出話として語れるほどは昔のことではないのであまり触れたくはないのですが)、友人・知人に「実はうちの子、学校に行っていないの」と勇気を出して告白してみたら、「黙っていたけれど、実は……」ということが本当に多かったのです。
 うつの話だけれど、笑えるまんがになっていて、でも、結構ほろりとさせられます。

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妖怪アパートの幽雅な日常(7)

『妖怪アパートの幽雅な日常(7)』(香月日輪作/講談社)
 修学旅行も終わり、生徒会役員も2年生に交代し、あとは3年生の卒業を待つだけ。生徒会役員が生徒に人気の千晶先生を予餞会に引っ張り出そうと追いかけまわす中、夕士は千晶から、かつて赴任した学校で起きた女生徒の事件を聞かされる。一方アパートでは、妖怪託児所で保育士として働くまり子さんが預かった正体不明の卵が、とんでもない事態を巻き起こす。だが、この出来事がきっかけで、夕士はまり子さんの哀しい過去を知ることになる。
 今回のテーマは思春期の性。メッセージは相変わらず、恥ずかしいくらいにストレート。読んでいて少々照れるが、まり子さんの「本当に好きな人としなきゃダメ」という言葉が心に響く。中高校生にぜひ読んでもらいたい。

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全力疾走

 全力疾走しているような毎日を過ごしています。今日がまだ水曜日!というのは、肉体的にはつらいけれど、仕事的にはほっとします。

 ひとり原書マラソンはなんとか続いています。ようやく3冊めを読み終えました。レビューはこちらへ。

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ふたたび「イタリアの児童文学を読む」

 以前「ブログでイタリア語の読書記録をつけることにしました」と宣言しておきながら、たった3か月で止まっていました。情けない……。
 Nの「小説禁止令」につきあって私も日本語の本を読むのを自粛するので、これを機に3月までを「イタリアの児童文学を読む月間」としようと思います。Y翻訳クラブで2回行われた「原書読破マラソン」は11月から3月まで、原書3,000ページを読破するものでした。今回、期間は少しだけ短いけれど、同じように3月まで3,000ページを読むことを目標にしたいと思います。名づけて「ひとり原書読破マラソン」。ただ読むだけではなく、1冊読むごとにこちらにレビューをアップしていく予定です。昨日、さっそく1冊アップしました。
 今手元にある本を合計しても3,000ページにはならないのですが、先に本を買うと積読が増えるだけなので、在庫が危うくなったときに考えることにします。3月までがんばろう! そして、私のマラソン中にNの「小説禁止令」が早々に解かれることを願います。

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最近読んだ本

更新をサボっている間に、もう11月が終わろうとしています。10月と11月の間、情けないほどり本を読んでいません。

『ミカ!』(伊藤たかみ作/文春文庫)
『ミカ×ミカ!』(伊藤たかみ作/文春文庫)
『記憶をなくして汽車の旅』(コニス・リトル作/三橋智子訳/東京創元社)
『もう、ジョーイったら!1 ぼく、カギのみこんじゃった!』(ジャック・ギャントス作/前沢明枝訳/徳間書店)
『サクランボたちの幸せの丘』(アストリッド・リンドグレーン作/石井登志子訳/徳間書店)
『やまんば娘、街へゆく 由布の海馬亭通信』(村山早紀作/理論社)
『片耳うさぎ』(大崎梢作/光文社)
『ポータブル・ゴースト』(マーガレット・マーヒー作/幾島幸子訳/岩波書店)
『14歳』(千原ジュニア著/講談社)
『きまぐれなバレリーナ バレエ・アカデミア 2』(ベアトリーチェ・マジーニ作/長野徹訳/ポプラ社)
『やかまし村の春・夏・秋・冬』(アストリッド・リンドグレーン作/大塚勇三訳/岩波書店)
『やかまし村はいつもにぎやか』(アストリッド・リンドグレーン作/大塚勇三訳/岩波書店)

『記憶をなくして汽車の旅』は図書館の新着案内で見て、タイトルに惹かれて読んでみました。原題は "Great Black Kanba"。このタイトルの直訳だったら、たぶん手にしなかったと思います。タイトルって大事だと改めて思いました。
『サクランボたちの幸せの丘』は、読み始めてすぐに大好きになりました。
ようやく読めた『14歳』。私の周囲にいる不登校経験者は、なぜか絵を描く子が多いのですが、この本の著者も同じで、章の扉にある挿絵は本人が描いています。絵を描くことと不登校……何か関連があるのでしょうか。
『きまぐれなバレリーナ バレエ・アカデミア 2』は原書で読んでいましたが、キャラクターダンスの授業で使われた曲が「ベートーヴェンの交響曲7番」だったとは気がつきませんでした。「ベートーヴェンの交響曲7番」と聞いて曲が頭の中を流れるようになったのは、「のだめカンタービレ」のドラマを見たせいでしょう。新春のスペシャルが今から楽しみです。

原書はとりあえず1冊。
"How I Became Writer and Oggie Learned to Drive" by Janet Taylor Lisle (Puffin Books)
2006年イタリア・アンデルセン賞、9歳から12歳部門の受賞作。イタリア語訳で読むのも何なので、オリジナルの英語で読みました。離婚した両親の家を行き来して暮らしている、12歳のアーチーと6歳のオジーの物語。タイトルどおりの内容ですが、2人の切なく悲しい気持ちが伝わってきてよかったです。

漫画は「のだめ」の新刊と「コナン」の新刊のみ……だと思います。会社の近所の書店で買って、昼休みに読みました。

Nを受験勉強に専念させるため、我が家では「小説禁止令」が出されました。私は受験生ではないけれど、面白い本を読むと思わずNに勧めてしまいたくなるため、Nの受験が終わるまで日本語の物語を読むのは自粛することにしました。でも、「妖怪アパート」シリーズの新刊だけはこっそり読みたい……。

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最近読んだ本

 更新をさぼっているうちに、気がついたら9月最後の日となってしまいました。ここ数か月に読んだ本をメモ代わりに挙げておきます(「最近読んだ本」を最後に書いたのは4月だったのですね……)。

『ジーンズ・フォーエバー(トラベリング・パンツ)』(アン・ブラッシェアーズ作/大嶌双恵訳/理論社)
『鹿男あをによし』(万城目学作/幻冬舎)
『腑抜けども、悲しみの愛を見せろ』(本谷有希子/講談社)
『世界屠畜紀行』(内澤旬子著/解放出版社)
『夜のピクニック』(恩田陸作/新潮社)
『雨の恐竜』(山田正紀作/理論社)
『王国は星空の下 北斗学園七不思議』(篠田真由美作/理論社)
『光の帝国―常野物語―』(恩田陸作/集英社)
『蒲公英草紙』(恩田陸作/集英社)
『エンド・ゲーム』(恩田陸作/集英社)
『鴨川ホルモー』(万城目学作/産業編集センター)
『かはたれ―散在ガ池の河童猫―』(朽木祥作/福音館書店)
『夜は短し歩けよ乙女』(森見登美彦作/角川書店)
『すももの夏』(ルーマー・ゴッデン作/野口絵美訳/徳間書店)
『インディゴの星』(ヒラリー・マッカイ作/富永星訳/小峰書店)
『ブルーバック』(ティム・ウィントン作/小竹由美子訳/さ・え・ら書房)
『西の魔女が死んだ』(梨木香作/新潮社」
『スローモーション』(佐藤多佳子作/偕成社)
『楽園のつくりかた』(笹生陽子作/講談社)
『カゼヲキル 1助走』(増田明美作/講談社)
『サイン会はいかが?―成風堂書店事件メモ―』(大崎梢作/東京創元社)
『バレエに恋してる!』(ベアトリーチェ・マジーニ作/長野徹訳/ポプラ社)
『曲芸師ハリドン』(ヤコブ・ヴェゲリウス作/菱木晃子訳)
『おもしろ荘のリサベット』(アストリッド・リンドグレーン作/イロン・ヴィークランド絵/石井登志子訳/岩波書店)
『雪の森のリサベット』(アストリッド・リンドグレーン文/イロン・ヴィークランド絵/石井登志子訳/徳間書店)
『赤い目のドラゴン』(アストリッド・リンドグレーン文/イロン・ヴィークランド絵/ヤンソン由実子訳/岩波書店)
『長くつ下のピッピ』(アストリッド・リンドグレーン作/大塚勇三訳/岩波書店)
『ピッピ南の島へ』(アストリッド・リンドグレーン作/大塚勇三訳/岩波書店)
『やねの上のカールソン』(アストリッド・リンドグレーン作/大塚勇三訳/岩波書店)
『やねの上のカールソンとびまわる』(アストリッド・リンドグレーン作/大塚勇三訳/岩波書店)
『はるかな国の兄弟』(アストリッド・リンドグレーン作/大塚勇三訳/岩波書店)
『やかまし村の子どもたち』(アストリッド・リンドグレーン作/大塚勇三訳/岩波書店)

 ほぼ読んだ順に載せました(リンドグレーン作品はその中での読んだ順。まだまだですね)。『夜は短し歩けよ乙女』は歩き回る乙女と追いかける男の物語なのですが、乙女が超人的なのに品があってかわいらしくて、よかったです。『夜のピクニック』は映画のDVDを長女Nと一緒に見たあと、2人で再読しました。
 ほかに原書を数冊(イギリスの作家のものが1点、残りはニュージーランドの作家のもの)を読破。ここ最近、イタリアの原書を読んでいないので、積読を崩さねば……といいつつ、今一番読みたいのは、数年前に一度読んだことのある幻想的な趣のある短編集。Y翻訳クラブで『大人のファンタジーガイド』に関わったときは、当時抱えていた問題のこともあって、自分はファンタジーは門外漢だなあと思い込んでいたのですが、その後、いろいろ読んでいるうちにハイファンタジーは苦手だけれど、好きなタイプのファンタジーがあることに遅ればせながら気がつきました。〈気がついた〉1冊がその本だったのです。
 あと、まんがなのですが、『14R』『山本善次朗と申します』(いずれも槙ようこ作/集英社りぼんマスコットコミックス)がよかったです。槙ようこ作品では『愛してるぜベイベ★★』もおすすめ。佐藤多佳子さんの『黄色い目の魚』や『サマータイム』『スローステップ』等に通じる世界を感じます。吉田秋生の『海街diary 1 蝉時雨のやむ頃 』と『ラヴァーズ・キス』(いずれも小学館、『ラヴァーズ・キス』は文庫)もよかったです。同じころに『かはたれ』を読んで、全然趣の違う作品ながら、鎌倉つながりでどっぷりはまりました。それにしても、『かはたれ』が全館合わせてたった1冊しかなく、続編『たそかれ 不知の物語』にいたっては置いてすらない我が市の図書館は、子どもを軽んじているのではないかと思います。


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リンドグレーンを読もう会

もう2週間も前になりますが、スウェーデン語の翻訳家で、アストリッド・リンドグレーンの作品をいくつか翻訳されている石井登志子さんの講演会に行ってきました。京都出身・在住の石井さんのゆったりとしたしゃべり方は、とても心地よかったです。リンドグレーンが19歳でシングルマザーになっていたとは知りませんでした。1920年代に、シングルマザーとなってしまった少女を救済した人たちが存在していたスウェーデンって、やはりすごいと思います。ほかに心に残ったのは、「人生には突然変化が訪れることがある」ということでした。
考えてみると、私はリンドグレーンのことはほとんど知らず、作品も『ブリット-マリはただいま幸せ』(これで石井さんのお名前を覚えたのでした)や「ロッタちゃん」シリーズくらいしか読んだことがありません。今年は生誕100年にあたるので、児童文学の翻訳を志すものとしては、邦訳作品を読破するべきではないかと思い立ち、ひとりで「リンドグレーンを読もう会」と始めました。
手始めに、岩波書店のアストリッド・リンドグレーン作品集(全21冊)を読破することにして、『長くつ下のピッピ』『ピッピ南の島へ』を図書館で借りました(シリーズ第2作は『ピッピ船にのる』なのに、『~南の島へ』が第2作だと思い込んで……)。実は小学校4年生くらいのころ『ピッピ南の島へ』を読んだのですが、そのときはあまりピンときませんでした。何年か前、『長くつ下のピッピ』を読みましたが、すっかり大人の視点で、あのお話に出てくる小学校の先生に感情移入してしまって、入り込めませんでした。そんな経験があって、ためらいながら再読したのですが……予想に反して楽しめました! ここ数年間、自分や自分の身内でいろいろなことがあったせいか、自分でも気づかぬうちにものの見方が変わっていたようです。思わぬ収穫でした。
各作品のきちんとしたレビューもそのうちアップしたいと思います。目標は、リンドグレーンの誕生日、11月14日までに全邦訳作品を読破すること。できるかな?

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最近読んだ本

ここ1か月くらいの間に読んだ本をメモ代わりに。

『ぎぶそん』(伊藤たかみ作/ポプラ社)
ガンズ・アンド・ローゼズのコピーに挑戦する、中学生バンドの物語。昭和の終わりの関西が舞台で、関西弁の台詞がここちよい。バンドのリーダーでギター&ボーカル担当のガクと、唯一の女子メンバーでドラム担当(!)のリリィを交互に語り手として、恋や友情をからめてテンポよく進む。第21回(2005年)坪田譲治文学賞受賞作。
タイトルの“ぎぶそん”とは、バンドのメンバーでギタリストのかけるが持っている、ギブソン社のエレキギター、フライングV のこと。

『ビッグTと呼んでくれ』(K・L・ゴーイング作/浅尾敦則訳/徳間書店)
ひょんなことから、パンクバンドのドラマーとなってしまった太った高校生トロイが主人公。トロイをドラマーに誘ったカートは、伝説的ギタリストだが、ホームレスで薬物常習者。その生い立ちは、『ぎぶそん』に登場するかけると重なる部分がある。実は3年前に原書で読んでいて、やまねこ翻訳クラブのメールマガジンでレビューも書いた。改めて邦訳で読むと、カートのにおいまで漂ってきた。やはり読むたびにニルヴァーナのカート・コバイン(正確にはカート・コベイン)を連想してしまう。

"Aim High" by David Hill, Mallison Mendel, 2006
ニールはアーチェリーをやっている高校生。かっとしやすいのが欠点で、コーチからも直すように指摘されているが、感情をコントロールできないのは、数年前に父が家を出て別の女性と再婚してしまったせいだと思っている。ニールを何かと敵対視しているケインと、かっとなったはずみで、アーチェリーとライフルで勝負することになってしまった。母親にうそをついてニールとの勝負に郊外のダムのほうまで出かけたが、思わぬ事故に巻き込まれてしまう。

"Frog Whistle Mine" by Des Hunt, HarperCollins, 2006
12歳のトニーは、母親と2人暮らし。しょっちゅう転職する母親に連れられて、ひとつところに落ち着かない生活を続けていたが、母が寂れた元金鉱の町、チャールストンのホテルで働くことになり、古いトレーラーハウスを個室としてあてがわれたとき、ようやく安住の地を見つけた気がした。
トニーは夏休み中、学者の両親に置いていかれて祖母の下に預けられ、退屈している少女ローズや、金鉱に詳しいフレッド、地質学者のニック、土産物店を経営しているジェイミーなどと出会う。そして、数年前に行方不明になったフランス人女性旅行者について調べようとする。一方、ニックは近いうちにこのあたりを大きな地震が襲うかもしれないと予言していた。

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でも 私はゆこう

   一歩踏みいだすのさえ
   容易なわざではない
   ちがった一言を言うのさえ
   此の社会ではむずかしいのだ

   でも 私はゆこう


     八木重吉 「草は静けさ」より

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2年生のクラスで読みきかせ

今朝、Yのクラスに読みきかせをしに行ってきました。2人一組で、今回のパートナーはYが小学校に入って最初にお友だちになったMちゃんのお母さん。教室に入ると机が隅に寄せられていて、みんな床に体育座りして準備万端でした。担任の先生は1年生のクラスに行くため抜けられ、私から読み始めました。
今回選んだのは『オオカミのともだち』(きむらゆういち文/田島征三絵/偕成社)。音読の宿題で日替わりでいろいろな絵本を読んでいるYと2人で選びました。Mちゃんのお母さんは『おんちのイゴール』(きたむらさとし文・絵/小峰書店)を読みました。
1年生から持ち上がりだったので、丸2年間一緒だった子どもたちも、もうすぐクラス替えでばらばらになります。こうして一緒にいるのもあとわずか。入学当初と比べてみんな成長したなあ~としみじみ。
終わったあと、R君の音頭で声をそろえて「ありがとうございました!」と言ってくれたけれど、こちらこそありがとうと言いたい気持ちでした。去年の5月に受けた絵本の読みきかせ講座で教わったようなことはほとんど生かせなかったし、準備も不十分だったけれど、行ってよかった。
半年くらい前からとても忙しくなってしまって、来年度はもう無理だなと思っていたのだけれど、どうしようかなあ……。迷っています。

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フルハウス ステフ&ミシェル

オンライン書店ビーケーワン:フルハウス 1
オンライン書店ビーケーワン:フルハウス 2

『フルハウス 1』(リタ・マイアミ、キャシー・E・ドゥボウスキ作/リー玲子、大塚典子訳/マッグガーデン)
「隣のオトコノコ」
隣に引っ越してきた男の子に恋をしてしまったステフ。彼の気を引こうといろいろなことを試みます。
「カンニング疑惑」
パパの指導のおかげで苦手な算数のテストでいい点が取れたミシェル。でも、先生にカンニングを疑われてしまいます。
『フルハウス 2』(デブラ・N・スペレーゲン、ジーン・ワーリッチャ作/村上利佳、大塚典子訳/マッグガーデン)
「ケータリング大作戦」
たまたま作った夕食を絶賛されたステフ。調子に乗って、ケータリング・サービスを始めます。
「ペット大騒動」
自分だけのペットを飼っていいとパパのお許しが出たミシェル。でも、予想以上にペットが集まってしまいます。

アメリカのテレビ・シリーズ「フルハウス」が大好きなY翻訳クラブの仲間(と言わせてください)の訳書が出ました。各巻それぞれに、ステフの話とミシェルの話が1話ずつ収録されています。値段も税込み1,050円とお手ごろなので、「フルハウス」がお好きな方はぜひどうぞ! 各巻の巻末には1~4シーズンのDVDの内容が面白おかしく紹介されています。そのほか、登場する料理のレシピあり、出演者たちは今?の貴重な情報あり……で、本編以外も楽しめます(もちろん、本編も!)。


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空をつかむまで

オンライン書店ビーケーワン:空をつかむまで
『空をつかむまで』(関口尚作/集英社)

小学校時代、長谷川優太はサッカーチームの天才フォワードと呼ばれ、代表選手にも選ばれ、華々しく活躍していた。けれど、中学進学後、体が急に大きくなったのと同時に以前のようなプレイができなくなり、焦りから練習をしすぎて逆に膝を痛めてしまい、サッカー部をやめてしまった。以来、膝が悪いからといって体育の授業はほとんど見学している。中学3年になった今は、部員2名の将棋部に籍を置きながら、顧問の都合でたったひとりしか部員がいない水泳部に借り出されていた。
優太ともうひとりの将棋部員モー次郎こと山田幸次郎、唯一の本物の水泳部員、姫こと岡本暁人の3人は、ひょんなことから夏休みの終わりに開催されるトライアスロン大会に出場することになった。優太の住む小さな村は来年、隣の市や町と合併するため、村の名前も、優太たちの通う美里中学校も消えてしまう。先生たちは、大会に出場することで美里中学校の名前を残したいと思っていたのだ。リレー部門に出ることになり、姫ことがスイム、毎朝自転車で牛乳配達をしているモー次郎がバイク、優太がランを担当することになった。
この作品が第22回「坪田譲治文学賞」に決まったというニュースをネットで読み、あらすじを読んでみると面白そうだったので読んでみた(最近、陸上系の小説に話題作が多いような気がする)。この作品、メインはトライアスロン大会だが、恋あり、家庭の問題あり、いじめあり……で、もりだくさん。優太の幼なじみで姫の彼女である美月も、小学校時代に巻き込まれた事件のトラウマがあり、そのことが美月と姫をぎくしゃくさせ、美月に想いを寄せている優太を悩ませたりもする。
冒頭近く、優太が習っていたピアノも得意だったサッカーをやめ、県の記録保持者の姫も水泳をやめたことについて、モー次郎に「みんなだんだんと大人になっていくうちに、いろんなものをやめていくのかなあ、なんて思ってさ」と言われた優太は、いらいらしながらも、モー次郎のいうことに共感している。今は得意なこともなく、新しく始めたいこともなく、何かに興味を惹かれることもない。傷つくのが怖くて、いろいろなことから逃げて回っている。優太も姫もモー次郎もそれぞれに問題を抱えているのだが、トライアスロンに挑戦しながらひと夏一緒に過ごすことにより、お互いに影響を与え合って変化が訪れる。予想していた展開ではあったけれど、全然予想していなかったエピソードもからんで、感動的なラストへ。家庭環境が複雑だったり、悲惨な体験をしたからといって、それでもまっとうに育っていくことはできる(極端な言い方をすれば、ある人間が犯罪を起こしたことを社会や家庭環境のせいにして、犯罪者に同情してはいけないのである)。月並みな言い方になるけれど、よかった。できれば、私のような元・中学生ではなく、将来何をやりたいのかよくわからないとぼやく、現役の中学生に読んでもらいたい。

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大寒と黒豆ごはん

今週からヨーガ教室が始まった。ホットヨガでもパワーヨガでもない、ごく普通のヨーガ。3か月間隔週1回、計5回で終了予定。終了後も通い続けるかどうかは未定。

移動時間や会社の昼休み、病院での待ち時間などを利用して、『猫島ハウスの騒動』(若竹七海作/光文社)、『麦の海に沈む果実』(恩田陸作/講談社)、『ネバーランド』(恩田陸作/集英社)、『アマチェム星のセーメ』(ロベルト・ピウミーニ作/長野徹訳/オクタヴィア・モナコ絵/汐文社)、その他イタリアのYAシリーズ2作目などを読了。
『アマチェム星のセーメ』は『星の王子さま』を思わせるお話。よかったので、姪の誕生日に贈ろうと書店で探したけれど、大手書店では見当たらず。なぜ……? 仕方なく他の本を選んで送った翌日、イトーヨーカドーの中にあるくまざわ書店にはちゃんと置いてあった。さすが、くまざわ書店。ロベルト・ピウミーニの作品は原書を含めていくつか読んでいるけれど、人間(というか、この世の中というか、社会というか……)に対して肯定的な気持ちを感じる。いい人なんだろうなあ、きっと。
『ネバーランド』って、数年前にドラマ化されたけれど、どんなドラマになっていたのだろう? 主要な登場人物がすべてジャニーズだし(岩槻=田中聖にはびっくり!)、原作に忠実というのはありえないような気がするのだけれど……。『麦の海に沈む果実』、途中までは楽しく読めた。
イタリアのYAシリーズは、「どうなるの?」という部分が解決しないまま2巻目が終了(でも本の構成上、許せない展開ではない)。3巻目を注文しているので、届くのが待ち遠しい。

追記
職場の方に丹波の黒豆をいただいたので、玄米で黒豆ごはんを炊いてみた。やわらかくて、ほんのり甘くて、おいしかった。具だくさんの豚汁と一緒に食べたので、おかずがなくても十分。ああ、幸せ~。

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昨日の敵は、今日も明日も敵?

先日、Yが『彼氏彼女の事情』(津田雅美作/白泉社 花とゆめCOMICS)のアニメを見ていたので、一緒に見ているうちに原作をもう一度読み直したくなった(我が家には全21巻ある。でも、私の所有物ではなく、子どもたちの所有物でもない)。成績優秀、スポーツ万能、可愛くておまけに人柄もいい――という仮面をかぶった、実は度を越えた見栄っ張りのヒロイン、宮沢雪野が高校に入学してから卒業するまでの物語(というほど単純な話ではなく、後半かなりドロドロした展開もあるのですが)。主人公やその仲間たちが何だかすごい人だらけなので、こんなのあり?と思わなくもない。
読み返してみて、雪野の人間関係は、「最初は敵で、徹底的に戦ったあとでお互いのことを認め合い、固く結びつく」というのが多いなと感じた。浅葉も真秀もつばさも。そういえば、有馬のことも雪野は最初、徹底的に敵扱いしていたっけ。
で、「ハリー・ポッター」シリーズの主人公ハリー・ポッターとドラコ・マルフォイの関係を思い出した。この2人が「徹底的に戦ったあとでお互いを認め合い、固く結びつく」ことは絶対にないのだろうなあ……。昨日の敵は今日も明日も敵、要するに敵はあくまでも敵で認めるわけにはいかないという感覚は、民族的なものなのだろうか? それとも、宗教的なものなのか? 欧米の宗教関係についてあれこれ雑学をかじっているうちに、ハリーとマルフォイが絶対に友だちにはなれないことは、なんとなく理解できるようになったような気がしてきたような……。
とはいえ、『彼氏彼女の事情』の中にも、雪野や有馬に絶対に受け入れてもらえない人物もいるのであった。

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黄色い目の魚

オンライン書店ビーケーワン:黄色い目の魚

『黄色い目の魚』(佐藤多佳子作/新潮社)

年末年始の旅行中に読んだ本のひとつ(時間が経ってしまったので、レビューは省略)。私が読んだあと、Nが帰りの飛行機の中で読み、家の本棚に置いていたら、旦那が読んでいた(眼精疲労で目が痛くなるほど集中して読んだらしい)。3人で同じ本を読んだので、「あの叔父さん、Rくん(旦那の弟・独身)みたい」とか「主人公の女の子は酒、飲みすぎ~」とか、いろいろ話ができて楽しかった。冬休みの宿題の読書感想カードには、この本のことを書いた模様。
読んだあと、なんとなく、海の近くに住みたくなった。2年間海の見える家で暮らして、湿気の多さに閉口したくせに、それでも、山のふもとよりも、湖のほとりよりも、海の近くに惹かれる。Nに話したら、「津波がくるよ」と冷静な言葉が返ってきた。
佐藤多佳子作品は最近まで読んだことがなくて、『サマータイム』(新潮社)がよかったので、ほかの作品も読んでみようと思ったのだった。元陸上部員としては、『一瞬の風になれ』も読むべきかもしれない。

追記
肩くらいまで伸びていた髪を、昨日バッサリ切りました。適度に長さがあると、後ろでひとつにまとめれば、改まった席にもOKなので重宝していましたが、考えてみれば、「改まった席」なんてそうそうあるわけでなし……。
髪が長いと髪の毛にエネルギーをとられるような、何かと流されがちになりそうな、アンテナが鈍るような気がします。久しぶりにショートにして、心機一転、少し前向きになれそうです。

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トロイア戦争――アキレウスのこと

 今『イリアス 上』を読んでいます。1年半くらい前、「どれでも欲しい本を(ただし価格範囲あり)」というありがたい申し出をいただいて、注文した本。今ごろ読み始めました。当時通っていたイタリア語学校の授業のテキストのひとつがギリシャ神話(Lucilla Burn著、"Greek Myths" のイタリア語訳)でした。阿刀田高の『ギリシア神話を知っていますか』(新潮文庫)や『私のギリシャ神話』(集英社文庫)、石井桃子編・訳の『ギリシア神話』(のら書店)、呉茂一『ギリシア神話 』(新潮文庫)を読んでいたおかげで一応基礎知識はあったのですが、授業がトロイア戦争に進み、イタリア人教師がヘクトルの魅力を熱く語るのを聞くうちに、登場人物たちのことをもっと深く知りたくなり、『イリアス』を読もうと決意したのでした。実際に手にして初めて知ったのは、『イリアス』はトロイア戦争末期のことを歌っているということ。戦争の始まりから終結までを歌っているのだと思い込んでいました。
 私が登場人物への興味をそそられたきっかけは、トロイア戦争勃発時の、アキレウスの逸話です。アキレウスの母親、海の女神テティスは、幼い息子の足首をつかんで、その水に触れれば不死になる川の水にひたしたことで知られていますが、トロイア戦争に行けば死ぬと予言されると、息子を女装させてスキュロス島へ送ります。そこへ行商人に扮したオデュッセウスがやってきて、女性向けの商品の中に武器を混ぜて見せると、アキレウスだけが武器に興味を示したので、正体がばれてしまいます。前述のイタリア語のテキストでこの部分を読んだとき、申し訳ないけれど、笑い転げてしまいました。だって、まるでコントですよ! 〈勇者アキレウス〉が女装しただけで、みんなが女性だと思い込むあたりも――女装したシルベスター・スタローンをだれもが女性だと信じて疑わなかったという某映画(タイトル不明)と同じく――かなり無理があるのではないでしょうか。まあ、そもそも、ギリシャ神話はありえないことだらけなので、いちいち突っ込んだりはしませんが、この人たちのことを深く知らずに人生を終えるのは惜しい!と実感したのでした。
 さっそく第1歌にアキレウス・ママのテティスが登場して、息子を助けます。アキレウスが当時何歳なのか知りませんが、スキュロス島ですでに一児の父となっています(女装していたのに?)。親にとって子どもは、何歳になろうと、子の親になろうと、永遠に子どもなのでしょうね……。今のところヘクトルびいきの私にとって、アキレウスは許せない存在なのですが、読み進めるうちに少しはその気持ちが変わるでしょうか?

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コンビニたそがれ堂

オンライン書店ビーケーワン:コンビニたそがれ堂
『コンビニたそがれ堂』(村山早紀作/名倉靖博絵/ポプラ社)

   風早の街の 商店街のはずれに
   夕暮れどきにいくと
   赤い鳥居がならんでいるあたりで
   ふしぎなコンビニを みつけることがある
   といいます

 さくら子はラジオ局のアナウンサー。月曜日から金曜日の午後の番組を担当しています。最近少し疲れぎみで、ごはんを作るのも面倒だから何か買って帰ろうと思ったとき、偶然コンビニを見つけ、おでんとお稲荷さんと、それから、透明なガラスの玉の中に桜の花びらのようなものが散っているストラップを買いました。その翌日、ラジオのスタジオの窓から、大きな桜の木の下に小学生くらいの女の子が立っているのが見えました。もんぺ姿で、「疎開から帰ってきたのに、おかあさんが迎えにきてくれない」と泣いています。気がつくと、あたりがなぜか一面焼け野原に変わっていました。さくら子は女の子にチョコレートをあげて、「わたしが、さくら子が、ここで応援しているからね」と励まします。不思議なことはこれだけではありませんでした。(以上、「桜の声」)
 そのほか、受け取らなかったプレゼントをもらう「コンビニたそがれ堂」、捨てられてしまったリカちゃん人形を通してお母さんが子どものころに受けた心の傷を知る「手をつないで」など、全部で5つの話が収録されています。本当に探しているものがある人だけが、行くことのできるふしぎなコンビニ、たそがれ堂。長い銀の髪に金の眼をした店長さんは何者なのかも気になりますが、「ごま風味で、少し柚子の香りもして、ほどよくあまい」お稲荷さんが食べたくなりました。
 
 

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大人のファンタジー読本

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『大人のファンタジー読本』(やまねこ翻訳クラブ編/マッグガーデン)
 そういえば、きちんと紹介していませんでした。11月30日、やまねこ翻訳クラブ編による『大人のファンタジー読本 未知なる扉をひらく180選』が出版されました。私は一応企画段階から関わってきたのですが、諸般の事情により(ファンタジーには疎いというのが最大の理由ですが)、書いたレビューは1本だけ。この本を水先案内人にいろいろと読んでみようかと思いますが、レビューを読んで実物も読んだ気になってしまいそうなのが怖いです。
 2000年に『月刊児童文学翻訳 1998年・1999年合冊版』を出したころには、私はまだ会員ですらありませんでしたが、こうやってやまねこ翻訳クラブの名前で出した本を手にしてみて、いろいろと考えさせられました。

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六番目の小夜子

オンライン書店ビーケーワン:六番目の小夜子
『六番目の小夜子』(恩田陸作/新潮社)
 地方の進学校に謎めいた美人の転校生がやってきた。その高校には10数年にわたり、奇妙なゲームが受け継がれていた――サヨコと呼ばれる生徒が3年ごとに選ばれ、今年は6番目のサヨコが誕生する年だった。
 3年前、今中2の長女Nが小5のときに買ってやった文庫本(Nはあっという間に読破)。自分もいつか読もうと思いつつ、そのままになっていた。『夜のピクニック』がかなり好きなので、絶対好きなはず!と期待していたけれど、裏切られなかった。
 教育テレビのドラマは原作とはかなり違っていたことを今ごろになって初めて知った(ドラマは見ていない)。舞台は高校ではなく中学校で、鈴木杏演じるヒロインは、原作にはないオリジナルキャラ。でも、美人転校生役が栗山千明!というのはぴったりだったかも。

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百まいのドレス

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『百まいのドレス』(エレナー・エスティス作/石井桃子訳/ルイス・スロボドキン絵/岩波書店)
 いつも同じ服を着ているワンダが「あたし、ドレスを百まい持ってる」と言い出してから、クラスの女の子たちはワンダをからかいはじめました。自分も貧乏なマデラインは、本当はこんなことやりたくないと思いながらも、仲よしのペギーがワンダをからかうので、やめられませんでした。
 1954年に『百まいのきもの』という名前で出版された本が、半世紀ぶりに改訳され、『百まいのドレス』と名前を変えて出版されました。訳者は前回と同じく、来年3月に百歳の誕生日を迎えられる石井桃子さん。訳者あとがきによると、戦後、日本を引き上げていく欧米人家族が残していった本を集めていた光吉夏弥さんの蔵書の中にこの本を見つけたそうです。船で太平洋を渡り、列車でアメリカ大陸を横断して、作者のエレナー・エレティスさんに会ったことなども書かれていて、石井さんの「子どもたちにいい本を届けたい」という強い思いが伝わってきます。春には「石井桃子さん100歳記念フェア」が計画されていると、さかなさんのブログで知りました。楽しみです。

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サンタの最後のおくりもの

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『サンタの最後のおくりもの』(マリー=オード・ミュライユ&エルヴィール・ミュライユ作/クェンティン・ブレイク絵/横山和江訳/徳間書店)
 ジュリアンはもうサンタクロースを信じていませんが、お父さん・お母さんに対しては信じているふりをしています。クリスマスの朝、ジュリアンは、欲しがっていた――お父さんたちが用意した――ゲームのほかに、汽車のおもちゃを見つけます。サンタクロースの落としたもののようでした。1年と1日たっても落とし主が現れなければジュリアンのものになるとお父さんが言いました。そして、1年が過ぎていきます。
 欲しかったゲームにはすぐに飽きてしまうのに、汽車にはどんどん愛着がわいていくようすが淡々と綴られています。終盤、少しはらはらさせますが……最後のページに、とても心が温まります。
 ジュリアンが何歳なのかはわかりませんが、誕生日がきて、「サンタがこない年になった」とあります。我が家の2人の娘の場合、長女は小1のとき、近所の方に「サンタなんていないの。大人がプレゼント買っているのよ」と教えられました。その方いわく、「こういうことは、きちんと教えないと」だそうですが、よその家のことはほおっておいて欲しかった……。次女もやはり小1だった去年、いろいろあってプレゼントを用意できなかったうちの母が「プレゼントなんて、毎年私たちが買っているんだから!」と逆ギレされて、真実を知りました。ある程度大きくなってもサンタを信じている子どもは、親の演出が上手なのですね。中学生のころまで信じていたという友人がいますが、サンタを信じていることイコール幸せな子ども時代という気がして、ちょっとうらやましく思います。

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晩夏に捧ぐ

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『晩夏に捧ぐ』(大崎梢作/東京創元社)
 元成風堂の店員で、今は実家に戻って地元の老舗書店に勤める美保に招かれて、幽霊騒動解決に赴いた杏子と多絵。事件の裏には27年前の人気作家殺人事件の謎があった。
 元書店員による、「成風堂書店事件メモ」シリーズ第2弾。前作『配達あかずきん』が面白かったので、続けて読んでみた。いわゆるミステリーで起こるような事件とは一味違う事件が起きる『配達あかずきん』のほうが全体としては好みだが、多絵のキャラクターなどは本作のほうがより掘り下げてあると思う。次回作は短編集らしいので、楽しみ。
 ネタバレになってしまうので、詳しくは書けないけれど、人にものをいうことの難しさを改めて感じた。以前参加した翻訳の勉強会の注意事項に、「訳文を批判されたからといって、自分の人格を否定されたように思わないこと」というようなことが挙げられていたが、実際のところはなかなか難しい。自分が好きなもののことを、自分は好きでないとほかの人に言われただけで、傷ついてしまう人もいるのだから。社会人になって、「自分と違う考え方をする人とも理解し合える」ということを知ったのだけれど、その後、社会経験が増えるにつれて、「自分と違う考え方をする人を受け入れられない人」というのが実に多いことにも気がついてしまった。言い方の問題もあるのかもしれなけれど、本当に難しい。

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ジュディ・モード、未来をうらなう!

オンライン書店ビーケーワン:ジュディ・モード、未来をうらなう! 『ジュディ・モード、未来をうらなう!』(メーガン・マクドナルド作/ピーター・レイノルズ絵/宮坂宏美訳/小峰書店)
 気分によって色が変わる、モード・リングを手に入れ、〈予言者 マダム・モード)になったジュディ。さて、どんな未来を占うのか?
 小2の次女に1日2~3章ずつ読み聞かせながら、先に自分で最後まで読みました。シリーズ第4巻は、冒頭の登場人物紹介の「トッド先生:新しいメガネでとうじょう」がそこはかとなくおかしくて、ついぷっとふいてしまったのですが、読みながら、笑いをこらえるのに苦労しました。細かくはかけませんが、「ハッピー8ボール」のメッセージとか、思い出すだけで笑いがこみあげてきます。
 ちなみに次女は「ジュディ」シリーズは自力で読めるので、1~3巻は自分で読みました。でも、親に読み聞かせてもらうのは別の楽しみがあるみたいです。

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透きとおった糸をのばして

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『透きとおった糸をのばして』(草野たき作/講談社)
 中学2年生の香緒は、大学院生のいとこ、知里と2人で暮らしている。父がロンドンに転勤になったころ、大学院進学のため知里が上京することになり、同居が始まったのだ。知里は真面目でしっかりしていて、面倒見もいい。
 5か月ちょっと前まで、香緒にはちなみという親友がいたが、あるできごとがきっかけとなって、全く口をきかなくなった。香緒は、ちなみの気持ちが変わって、また前のような仲になれることを信じている。
 ある日、知里の友人、るう子が2人暮らしのマンションにいきなり押しかけてきてから、香緒の生活に異変が訪れる。
 第40回講談社児童文学賞受賞作。小学校・中学校時代では、親友だった子が、1年後には単なる顔見知りに変わってしまうこともある。そんな女の子同士の友情のもろさ、はかなさを描いている。けれど、結末はもろくもはかなくもなく、ちょっと新鮮だった。

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ステイ・ゴールド

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『ステイ・ゴールド』(野沢尚作/幻冬舎文庫)
 蓼科への修学旅行に奈美は現れなかった。偶然聞いた先生たちの会話から奈美が自殺したことを知った、わたし、真琴、理沙の3人は、3人だけで、奈美が教えてくれた伝説の雫をめざすことにした。岩の間から湧き出しているその水をみんなで飲むと、友情が永遠になるという。
 同名映画を脚本家自身がノベライズしたもの。10年経ち、22歳になったわたしが、小学校6年生のときのできごとを題材に大学の卒業制作の小説を書くという構成になっている。スティーヴン・キング原作、ロブ・ライナー監督の映画『スタンド・バイ・ミー』の日本の女の子版といった感じ。
 野沢尚氏は2004年6月に自ら命を絶った。訃報を聞いたとき、彼が脚本を書いた映画『名探偵コナン ベイカー街の亡霊』やドラマ「青い鳥」に、自殺した人が出てきたことを思い出したが(実は野沢氏が脚本を書いた作品はこの2つしか見ていないのだけれど)、この作品を読んでいるときも、彼の死のことを考えずにはいられなかった。でも、本当はそんな裏のことなど考えずに読める、中学生時代に読むべきかもしれない。

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雪の断章

 生後2か月で捨てられ、孤児院で育った飛鳥。金持ちの本岡家に引き取られ、2年間不当な生活に耐えたのち、偶然出会った青年、祐也と暮らすようになる。生い立ちのため、幼いころから周囲に対して心を閉ざしていたが、祐也とその親友史郎のことは心から信頼し、また高校入学後、親友と呼べる順子とも出会う。しかし、本岡家の影は飛鳥に絶えず付きまとう。
 こう書くと社会的な物語のようだが、『雪の断章』(佐々木 丸美作/講談社/絶版)はリアリズムとは対極にある寓話的な物語だった。著者紹介に「メルヘン的長編小説」とあるのも納得。10代の多感な時期に読まないと作品の世界に入り込めないような気がしたし、読者を選ぶ作品だとも思う。この作品を読んで、私はシェークスピアの『テンペスト』とマルシャークの『森は生きている』が読みたくなった。
 佐々木丸美作品は長い間絶版状態だったが、全作品の復刊が決まったとのこと。詳細はこちら

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2006年やまねこ賞投票始まる

 11月1日より、やまねこ翻訳クラブの2006年やまねこ賞の投票が始まりました(投票は11月15日まで)。2005年10月~2006年9月に出版された邦訳児童書の中から、やまねこ翻訳クラブの会員たちがいいと思う本を1位~5位の順位をつけて投票し、〈絵本部門〉〈読み物部門}の1位に選ばれた作品に「やまねこ賞 大賞」が与えられます。
 ちなみに、昨年のやまねこ賞、絵本部門は『悲しい本』(マイケル・ローゼン作/クェンティン・ブレイク絵/谷川俊太郎訳/あかね書房)、読み物部門は『最後の宝』(ジャネット・S・アンダーソン作/光野 多惠子訳/早川書房)でした。
 この1年間はあまり本が読めなかったのですが、それでも何とか〈読み物部門〉と、番外編の〈未訳部門〉の投票はできました。投票受付締切までに〈オールタイム部門〉には何とか投票したいと思いますが、〈絵本部門〉の投票はあきらめました。
 私が読み物部門1位に投票したのは『猫とともに去りぬ』(ジャンニ・ロダーリ作/関口英子訳/光文社)。今年はイタリア人作家作品の邦訳が例年より目についたような気がしたのは、私のアンテナが変わってきたせいでしょうか。投票はしなかったけれど、『リゴーニ・ステルンの動物記』(マーリオ・リゴーニ・ステルン作/グザヴィエ・ドゥ・メーストル画/志村啓子訳/福音館書店)や、汐文社の「イタリアからのおくりもの 5つのちいさなファンタジア」というシリーズなどもよかったです。

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Star Light & Stage Struck (Stevie Silver)

"Star Light"
Orchard Books, 2006 ISBN 1-84121-782-4
124pp.
"Stage Struck"
Orchard Books, 2006 ISBN 1-84121-780-8
121pp.
by Jean Ure

 スティービーはロンドンにある演劇学校、スターライト・ステージスクールに通う女の子(年齢ははっきり明記していないけれど、13歳くらい?)。学校では演技や、歌、踊り、発声練習、メーキャップなどのほかに、普通の学校と同じようなことも勉強しています。将来の目標は☆スター☆になること! 同じ目標をめざす仲間たちとの学校生活やオーディションのこと、また、家族とのさまざまな出来事をスティービーが語ります。1巻にそれぞれ3話ずつ、計6話収録されています。

(1) スティービーたちは、クリスマスの翌日に上演されるお芝居のオーディションを受けます。オーディションには受かったものの、小柄なスティービーに割り当てられたのは、16匹いるねずみたちの1匹でした。

(2) クラスメートと一緒に、コマーシャルのオーディションを受けたスティービー。面接でディレクターに「君みたいな子を探していたんだ! 連絡するからね」と言われたのに、後日発表された合格者の中に、スティービーの名前はありませんでした。

(3) スティービーの1歳年上の兄、トーマスは獣医志望。トーマスの親友サムのお母さんがやっている、家のない猫たちの施設が経営難で閉鎖の危機にあるため、トーマスは資金集めに奔走しています。自分も何かしたいと考えたスティービーは、学校の仲間と劇を上演することを思いつきます。

(4) クラスメートのスターロッタは、おじさんがソープオペラに出ている有名な俳優であることなど、自分の自慢話ばかりしています。我慢できなくなったスティービーたちは、スターロッタにいたずらをしてやろうとします。

(5) スティービーの友人ローザの様子が最近おかしい。いつも明るく、ユーモアたっぷりのローザから、ユーモアが消え、怒りっぽくなってしまいました。心配するスティービーたちに、ローザはほっておいて!と言うだけ。

(6) スティービーはお母さんから、お父さんの事業がうまくいなかなくなり、スターライト・ステージスクールの学費が払えなくなったので、今年いっぱいで退学するよう告げられます。落ち込み、荒れるスティービーに、校長先生が奨学金の存在を教えてくれます。

 コメディエンヌの素質があり、意識しなくても人を笑わせてしまうスティービーの語り口は、ユーモアたっぷり。ライバルだけど友だち、友だちだけどライバルという友人関係は、なかなか興味深いです。お約束の「優等生だけれど、みんなの嫌われ者」も登場。そして、社会的なテーマも織り込んであります。星がちりばめられた表紙(1巻は濃いピンク、2巻は赤)はおしゃれでかわいいのですが、amazon.co.jp では見られないので残念です。(でも、Jean Ure の公式ウェブサイトで見られます。)


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Land of Milk and Honey

"Land of Milk and Honey"
by William Taylor
HarperCollins Publisher, 2005 ISBN: 1-86950-519-2
160pp.

 1947年。戦争で母と祖母を失い、14歳の少年ジェイクは妹のジャニスとともにイギリスから、〈乳と蜜の流れる地〉ニュージーランドへ渡った。片脚をなくした父に、2人の面倒をみることは難しかったからである。しかし、到着してすぐにジャニスと引き離されてしまった。ジャニスがどこに連れて行かれたのか知らされないまま、ジェイクはひとり列車に乗り、ピアソン家へ向かう。ピアソン家の農場は夫人名義のため、ピアソン氏は夫人には頭が上がらない。農場で働いたことのなかったジェイクは、ピアソン一家にこき使われて疲れ果てる。重労働をしても、食事と部屋を提供していることと、未熟でまだ労力になっていないことを理由にお金をもらえず、おまけに夫人の作る食事はまずくて、量も少ない。夫妻の息子、17歳のダーシーは両親に溺愛されており、ジェイクに対して好き放題に振舞う。意に沿わぬことを無理やりさせられても、ほかに行くところもなく、お金もないため、ジェイクはひたすら耐えていた。
 ピアソン夫妻が親戚の結婚式に出席するため留守にした週末、ダーシーの友人、ゲリーが町からやってきた。両親がいないのをいいことに、ゲリーと一緒に、ダーシーはジェイクに対していつもよりもさらに残酷な仕打ちをする。身も心も傷ついたジェイクはスーツケースを持って飛び出した。町をめざして歩いているところを、車に乗った男性に拾われたが、男性は非番の警官だった。ジェイクの話し方でピアソン家の農場で働くイギリス人の少年だと気づかれ、そのままピアソン家に連れ戻されてしまう。逃げ出したことに激怒したピアソン氏とダーシーは、ジェイクの背中をベルトで激しく何度も打つ。ようやく解放されたジェイクは、背中の激痛に苦しみながら、着の身着のままで再び逃げ出した。
 半年以上前から手元にあったものの、重いテーマに向き合う勇気が出るまで時間がかかった。タイトルは旧約聖書の「出エジプト記」から。カナンの地をめざしたユダヤ人を待っていたのが決して楽な生活ではなかったように、ニュージーランドに渡ったジェイクも過酷な日々を送ることになる。ダーシーのジェイクに与えた数々の仕打ちは残酷で、描写も生々しく、思わず途中で投げ出そうかと思ったほど。それでも読み続けられたのは、冒頭、年を取ったジェイクが息子夫婦と孫と一緒に農場を訪れ、ダーシーと再会する場面があったから。今はつらい生活をしていても、そのうち……と希望を持つことができた。ラスト、ジェイクがはるばるやって来たのは、やはり〈乳と蜜の流れる地〉だったのかもしれないと感じさせる場面に、胸が熱くなった。

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千利休

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『千利休』(清原なつの作/本の雑誌社)

 1年半くらい前に購入したものを、今さらのように読了。登場人物が多く、注も多く、おまけに厚くて重いので、読み進めるのは少々きつかったのですが、おかげで「戦国時代の男たちにとっての茶の湯は、現代のゴルフみたいなもの?」ということがなんとなくわかりました。能の衣装はもともとは戦国武将のお下がりだと聞いたこともありますし、まあ、興味深い時代だったようですね(でも、やたらと首を切り落としてさらす時代は、二度と来て欲しくありません)。日本史の知識がもっとあれば、より深く楽しめたかと思います。お国訛りで話す戦国武将たちが、なんともおかしい。
 清原なつのさんのまんがは昔から好きで、単行本は、ぶ~けコミックスの1冊をのぞいて、全部持っていました。昔の作品が早川から文庫になっていることを知り、本の雑誌社から単行本未収録作品集が2冊出ていることもわかりました。買わねば!

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フラッシュ

オンライン書店ビーケーワン:フラッシュ
『フラッシュ』(カール・ハイアセン作/千葉茂樹訳/理論社)

 カジノ船を沈めてしまった父さんが、警察に捕まってしまった。面会に行ったぼくは、カジノ船が海に汚水を垂れ流していることを知らされ、父さんの名誉のため、正義のため、真実を告発しようと決意する。
 主人公のノアに協力してくれる、カジノ船の元バーテンダー、シェリーや、ノアやその妹、アビーをひそかに見守り、守ってくれる謎の老海賊など、大人たちがいい。ノアの父、ペインは感情先行型で、正義のためならまっしぐら。母、ドナは、そんな夫にときどきついていけなくなる、生真面目な女性。まあ、これはこれでいいカップルかも。
 そういえば、ハイアセンは『ホー』(千葉茂樹訳/理論社)でも環境問題を扱っていたっけ。

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世界はおわらない

オンライン書店ビーケーワン:世界はおわらない
『世界はおわらない』(ジェラルディン・マコックラン作/金原瑞人・段木 ちひろ訳/主婦の友社)

 旧約聖書に出てくる「ノアの方舟」をモチーフにした物語。主な語り手は、聖書には登場しない、ノアの娘、ティムナ。ノアの妻や息子の嫁たちも登場する。
 父ノアは絶対君主のようだし、長兄セムはノアのコピーのよう。ハムは少し陰が薄く、末っ子のヤフェトは親友を方舟に乗せることができず、見殺しにしてしまったことを悩む。方舟の中は動物たちのにおいで臭く、動物をたくさん乗せた方舟で40日間過ごしたら、当然こうなるだろうということが描かれている。聖書に疎い私は、聖書にノアの妻の名前も、息子の嫁たちの名前も登場していないとは知らず、この物語も聖書を意識せずに単なる物語として楽しんだ。「ノアの方舟」は史実だと主張する人たちも少なくないと聞き、キリスト教圏で理科を教えるのはたいへんだろうなと改めて感じた。

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そばかす先生のふしぎな学校

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『そばかす先生のふしぎな学校』(ヤン・ブジェフバ作/内田莉莎子訳/ヤン・マルチン・シャンツェル絵)

 奇想天外なことばかり起きる、実に不思議な物語。結末は予想できなかった。
 原書は1955年に刊行されたポーランドで人気の児童文学。作者紹介によると、三部作で、「クレクス先生の旅」「クレクス先生のがいせん」と続くらしい。

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ねずみの騎士デスペローの物語

オンライン書店ビーケーワン:ねずみの騎士デスペローの物語

『ねずみの騎士デスペローの物語』(ケイト・ディカミロ作/ティモシー・バジル・エリング絵/子安亜弥訳/ポプラ社)

 2004年ニューベリー賞受賞作を今さらのように読みました。「ねずみとお姫さまのお話なんて~」と、正直ばかにしていたのですが、予想外に力のある物語でした。地下牢に送られたねずみの騎士デスペローが、看守に物語を聞かせて命を救われるところは、「アラビアンナイト」を思わせ、闇に包まれた地下牢で迷子にならないように糸巻きを準備するのは、ギリシャ神話のテセウスがラビリントスに入る場面を連想させました。そして、デスペローはテセウスよりずっと頼りになるヒーローなのでした。

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子どもに語る日本の昔話

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『子どもに語る日本の昔話 1』(稲田和子・筒井悦子著/こぐま社)

 図書館の読み聞かせ講座の最後に図書館員の方が聞かせてくれた昔話が面白かったので、日本や外国の昔話をもっと知りたくなりました。少しずつ読んでいこうと思っています。いくつかあった中、こぐま社のこのシリーズを選びました。
 収録されている主な作品は、「舌切りすずめ」「つる女房」「大工と鬼六」「うぐいすの里」「たかにさらわれた子」など。印象に残ったのは、「じいさとかに」。かにばかりかわいがるおじいさんに嫉妬したおばあさんが、かにをころして食べてしまうという話ですが、江戸川乱歩の「人でなしの恋」を少し連想させました。「うぐいすの里」の12か月の描写の美しさも心に残ります。

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ジュディ・モード、地球をすくう!

オンライン書店ビーケーワン:ジュディ・モード、地球をすくう!
『ジュディ・モード、地球をすくう!』(メーガン・マクドナルド作/ピーター・レイノルズ絵/宮坂宏美訳/小峰書店)
 シリーズ3作めでは、トッド先生の授業をきっかけに地球を救おうという使命に取り付かれたジュディが環境問題に取り組みます……というと、『リサイクル―コリンはエコ戦士』を連想しませんか? 実際、テーマは似ています。家族が非協力的なのも一緒。ただ、ニュージーランドの中学生コリン(『リサイクル』の主人公)と、アメリカ東海岸のヴァージニア州在住の小学3年生のジュディでは、やることもできることも違ってきます。読みながら、ジュディとコリンが出会ったらどうなるだろうか?などと考えてしまいました。最初のうちはお互いにうっとうしく感じるかもしれないけれど、そのうち、お互いの目的が同じだということに気がついて、理解しあえるのではないかと思いました。ジュディの家もコリンの家も、両親、姉、弟、猫……と家族構成が一緒なのですね。単なる偶然でしょうけれど。
 こういう作品を読むと、日本とアメリカの子どもたちの育ち方の違いがよくわかるような気がします。

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イラクサ

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『イラクサ』(アリス・マンロー作/小竹由美子訳/新潮社)
 8篇の短編を収録。有名な俳優が出ているわけでも、誰もが知っているような場所が舞台になっているわけでもないけれど、しっかりした脚本・演出・演技で丁寧に作られ、満腹感を与えてくれる、「海外秀作ドラマシリーズ」を見たような味わいがあった。
 表題となっている「イラクサ」に出てくる悲劇的なできごとは、偶然にも最近聞いた、知人の知人の家に起きた悲劇とよく似ていた。ここのところ、何人かで集まれば認知症関係の話題で盛り上がってしまう身としては、「クマが山を越えてきた」も他人ごとではない。そのほか、自分や自分の知人の周囲で起きたこと、起きていることと重なることも少なくなく、この作家の作品にひきつけられる人が多いのも、わかるような気がした。

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木の上の家

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木の上の家』(ビアンカ・ピッツォルノ作/長野徹訳/クェンティン・ブレイク絵/汐文社)

 都会のマンションでの暮らしにうんざりして、木の上で暮らし始めたアグライアとビアンカ(アグライアは8歳の女の子で、ビアンカは大人の女性)。偏屈なお隣さんのベッカリスさんとの間に毎日にようにトラブルが起きる。コウノトリに腹を立てたベッカリスさんが鉄砲を乱射し、怪我をしたコウノトリ3羽に運んでいた赤ん坊を押し付けられたアグライアとビアンカは、元ベッカリスさんの番犬だったアメデオの恋犬、セントバーナードのドロテアを乳母として雇い、赤ん坊4人の世話をさせるが……。
 長野徹さんの新刊訳書という理由で手に取った。全体としてナンセンスではちゃめちゃなお話で、木の上に水道完備の家を作ったり、シビレエイで電気を取ったり、「ありえない!」ことだらけだが、その一方で、コウノトリがベッカリスさんの家の屋根の上に〈落し物〉をしたときや、おむつをしていなかった赤ん坊が何でどのように汚れていたかというような描写は、妙に生々しい。同じ作者(で同じ訳者)の『ラビーニアとおかしな魔法のお話』(長野徹訳/小峰書店)を連想させる……。
 訳者あとがきによると、この物語は、作者が友人夫妻の娘のために作った物語が元になっているとか。邦訳作品はほかに『ポリッセーナの冒険』がある。

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イタリアの児童文学を読む

 Y翻訳クラブの原書読破マラソンに参加表明しておきながら、結局1冊もアップできませんでした。我ながら情けないので、ブログでイタリア語の読書記録をつけることにしました。こちらです。
 現在アップしているのは、だいぶ前に読んだ本の記録ですが、ゆるゆるとアップしていきたいと思います。よろしくお願いします。

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クリスマスの猫

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『クリスマスの猫』(ロバート・ウェストール作/ジョン・ロレンス絵/坂崎 麻子訳/徳間書店)

 11歳のキャロラインは、両親が外国にいるため、サイモンおじさんのもとでクリスマスを過ごすことになった。おじさんは牧師で、奥さんも子どももいない。一緒にいて楽しい人でもない。また、おじさんの世話をしている家政婦は意地悪。そんな中、キャロラインは庭で身重の猫を見つけ、塀を乗り越えて牧師館の庭に入り込んだ少年ボビーと友だちになり、2人で猫を守ろうとする。
 おばあさんが孫娘に語る話という形式になっている。クリスマスには奇跡が起こるという点では、『イルカの家』につながるものがあるかもしれない。この話で起きるのは奇跡ではないかもしれないけれど。今の季節にぴったりの1冊。

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ラッシュライフ

オンライン書店ビーケーワン:ラッシュライフ

『ラッシュライフ』(伊坂幸太郎作/新潮社)

 画家の志奈子は、画商の戸田と仙台に向かっていた。空き巣の黒澤はマンションの隣室の青年が、その友人をおぶってエレベーターに乗るのを手伝う。絵を描くのが得意な青年、河原崎は、組織の幹部、塚本に呼び出される。カウンセラーの京子は、愛人青山と、青山の妻を殺す計画を練る。リストラになった豊田は、再就職を試みるが目下40連敗中……。ばらばらの人物を主人公にした別々の物語が同時進行し、ところどころで関わりあう。
 空き巣の黒澤は『重力ピエロ』にも登場(順番からすればこっちのほうが先)。また、直接は登場しないが、登場人物のひとりが『オーデュボンの祈り』の主人公、伊藤らしき人物のことを話す場面もあり、読んでいてうれしくなる。そして、いつもながら読後感は最高。ラストは心があたたくなった。ああ、仙台に行きたい。

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ジョーアンドミー 釣りと友情の日々

オンライン書店ビーケーワン:ジョーアンドミー

ジョーアンドミー』(ジェームズ・プロセック著/光野多惠子訳/青山出版社)

 15歳のジェームズは釣り好きが高じて、禁漁区での釣りにすっかりはまってしまっていた。雨の中、禁漁区で釣りをしているところを、監視員のジョーに捕まってしまう。これがジェームズとジョーとの出会いだった。「わざわざ禁漁区に行かなくても、魚は釣れるってことを教えてやる」。こうして、ジョーとジェームズの釣りと友情の日々が始まった。
 この作品は小説ではなくエッセイ。表紙や挿絵も作者自身が描いている。その水彩画のように文章もみずみずしい。私は釣りをしたことはないけれど、コネチカットの四季を感じながら、自分も釣りを楽しんでいるような気分を味わえた。ジョーはジェームズの保護者ではなく、あくまでも友人だけれど、ティーンエイジャーの少年にとって、あるべき大人の姿として描かれていると思う。中でも印象に残ったのは、「何かをしてもらったら、必ずお返しをする」こと。ジョーもジョーの友だちも当たり前のように実行している。確かに当たり前のことなのだが、実行するのはなかなか難しい。
 中1のころ、仲がよかった男の子2人の趣味が釣りで、自分も一緒に行きたいなと思いつつ、トイレのことを考えるととても行けなくてあきらめたことを思い出した。ジョーとジェームズの友情が釣りを通して深まっていったのとは対照的に、彼らと私の友情は釣りが岐路になったのだった。
 たまたまこの本を読んでいるとき、NHKの「トップランナー」という番組に造形作家の松村しのぶ氏が出ているのを見た。私は一時期チョコエッグのフィギュア集めにはまったことがあり、その原型を作っている方がどんな人なのかとても興味があった。子ども時代は釣りや虫取りに明け暮れ、今は家族で田舎に旅行へ行くと、夜、林道で野生動物の観察をしているという。人並み外れた動物好きらしい。ジェームズ・プロセック氏と少し重なる部分もあるように感じた。
 あと、オリエンタル・ラジオの漫才の「どんなことわざにも続きがある」というネタで、「猿も木から落ちる。それをオレ受け止める。キャッチ・アンド・リリース!」というのがあって、「キャッチ・アンド・リリース」がわからなかったのだが、この本を読んでわかったのも収穫だった。
 という具合に、私なりにシンクロニシティが多い本だった。手元に置いて、折にふれて読み返したくなる本だと思う。
 著者ジェームズ・プロセックの公式サイトはこちら。美しい水彩画を眺めて、うっとりできる。おすすめ。

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クリスマスの幽霊

オンライン書店ビーケーワン:クリスマスの幽霊

『クリスマスの幽霊』(ロバート・ウェストール作/ジョン・ロレンス絵/坂崎麻子・光野多惠子訳/徳間書店)

 クリスマス・イブ、父さんの弁当を届けに工場へ行ったぼくは、エレベーターの中で幽霊を見た。その話をすると工場の人たちは青ざめる。エレベーターの中で幽霊を見ると、その日、誰かが死ぬからだ。表題作のほか、作者ウェストールの回想記「幼いころの思い出」を併録。
 ウェストールの作品は『かかし』しか読んでいません。姿勢を正して(何かをしながらではなく、きちんと集中して)読まなければいけなような気がして、敬遠していました。徳間書店から次々と刊行されていることだし、これを機に少しずつ読んでいこうと思います。
 表題作や併録された回想記を読んでいると、時代はちがいますが、『リトル・ダンサー』や『ブラス!』『フルモンティ』といった映画を連想します。イギリスの地理に疎くて、ウェストールの出身地ノーサンダーランドがどこにあるのか知らなかったのですが、イングランド北部、スコットランドの近くなのですね(冒頭の謝辞「なんども、ハギスをありがとう」に納得しました)。イングランドのこのあたりは、一度列車で通り過ぎただけですが、ぜひ訪れてみたいと思います。それにしても、1930年代はクリスマス・イブでも仕事していたんですね。

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重力ピエロ

オンライン書店ビーケーワン:重力ピエロ

『重力ピエロ』(伊坂幸太郎作/新潮社)

 主人公、私の勤める遺伝子を扱う会社が放火される。その直前に、弟の春から、「兄貴の会社が放火されるかもしれない」という電話を受けていた。春は仙台で続く放火事件とグラフィティアートとの関連性を主張し、私も関わりあうことになる。
 春は母(すでに故人)がレイプされてできた子ども。父は末期がん。このように暗い要素が散りばめられているのに、全体のトーンは明るく、結末は相変わらず壮快。私が伊坂作品に惹かれるのは、この壮快さのせいだと思う。
 なんだか仙台に引っ越したくなってきた……。

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オーデュボンの祈り

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『オーデュボンの祈り』(伊坂幸太郎/新潮社)

 発作的にコンビニ強盗をして捕まり、警察から逃げる途中で意識を失った僕は、気がつくと見知らぬ島にいた。江戸時代末期から鎖国をしているというその島は、人々の暮らしは伊藤が来た世界と一見変わらないように見える。しかし、しゃべるカカシ、優午が、預言者として崇められていたり、公然と人を殺すことが許されている「桜」という男がいたり……明らかに違う。そして数日後、優午が殺される。一方、元の世界では、警察官の城山が僕の行方を執拗に追っていた。
 第5回新潮ミステリー大賞受賞作(最後の受賞作でもある)。読み始めたとき、『死神の精度』や『陽気なギャングが地球を回す』とはテンポが異なるので、少しとまどった。正直言って、前に読んだ2作ほどは読みやすくない。けれど、ところどころにのちの作品の片鱗が見え、うれしくなった。読み終えたあとの心地よさは格別で、これはこの作家の持ち味なのかなと思う。
 巻末にある審査員の講評がなかなか興味深かった。最終審査に残ったほかの3人は、その後どうしているのだろう?

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陽気なギャングが地球を回す

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『陽気なギャングが地球を回す』(伊坂幸太郎作/祥伝社)

 どんな嘘でも絶対に見破る成瀬、成瀬の高校時代の同級生で、嘘しか言わない饗野、スリの名人の久遠、正確な体内時計をもつ雪子。4人は成功率百パーセントの銀行強盗。しかし、計画通り銀行を襲い、奪った金を持って車で逃げる途中、偶然現金輸送車襲撃犯と遭遇してしまい、車ごと売り上げを奪われてしまった……。
 イドノハタノホンダナさんが、「『伊坂節』に初めて挑む人には『オーデュボンの祈り』とか『陽気なギャングが地球を回す』などがお勧め。どちらかを読んで肌に合わなければ、全作避けた方がよろしいかと」と書かれていたので、とりあえずこの作品を読んでみました。テンポよく、楽しく、読み終えたあとの爽快感……最高です。銀行強盗4人の役割分担がはっきり分かれていて、それぞれに魅力的。その中で饗野さんに惚れました。銀行を襲って、ほかの2人がお金を集めている間、捕らわれの身になっている人相手に演説するのもいいし、ちんぴらまがいの中学生を、シューベルトの「アヴェ・マリア」を歌いながら殴りつけるところなんて、ほんとうに素敵。そういうわけで、現在シューベルトの「アヴェ・マリア」をドイツ語で歌えるよう、練習中です。
 この作品が肌にあったので、次は『オーデュボンの祈り』を読みます。

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名犬?エリックのおかしな冒険

『名犬?エリックのおかしな冒険』(A・ノリス作/光野多惠子訳/金の星社)

 イギリスの小さな町に暮らす小学生、エリック。最近なぜか、体が犬に変身してしまうようになってしまった。エリックの秘密を知っているのは親友ロイだけ。家族も知らない。たとえば自分の部屋でまんがを読んでいるときに急に首の後ろがかゆくなると、かいているうちに犬に変身! 息子の部屋をのぞいたお父さんお母さんは、犬が勝手に上がりこんでいるのを見て、怒って追い出す。犬になっている外をうろうろしているうちに首がかゆくなると、ふたたび人間のエリックに戻る(でも、犬だから服は着ていない。これはかなり困る)。そんなエリックとロイの、はらはらどきどきする日常のできごとが書かれている。
 アラン・アルバーグの『犬になった少年 イエスならワン』(菊島伊久栄訳/偕成社)を原案に製作されたテレビシリーズを、脚本家自身がノベライズしたもの。実はイタリアにいたとき私はこのシリーズを見ていて、大好きだった。人間のエリックは、小柄で赤毛でそばかすだらけ……という、実に魅力的な男の子。この本にも収録されている自動車レースの話のエリックは、本当に可愛かった(スタート直後、人間から犬に変わり、最後に人間に戻るのだが。変わるときも戻ったときもかわいかった~)。シリーズ途中でパートナーがレイチェルという女の子に替わるが、このレイチェル役の子もボーイッシュでよかった(レイチェルとの物語は、続編『名犬?エリックのゆかいな冒険』に収録)。読みながら、テレビシリーズを思い出して、また見たくなった。日本でも放映してくれないかなと思っているのだが。

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セルコ―ウクライナの昔話

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『セルコ―ウクライナの昔話』(内田莉莎子文/ワレンチン・ゴルディチューク絵/福音館書店)

 ある講演で、『泣いた赤おに』と『セルコ』の両方を読みきかせて、反応を調べたというようなことを聞いた。『泣いた赤おに』は知っていたが、『セルコ』は初めて耳にした。『泣いた赤おに』に似た話で、結末が違うらしい。さっそく読んでみた。
 セルコは農家で飼われている老犬。年をとって役に立たなくなったと言われ、農夫に追い出される。行くあてもなくうろついていると、おおかみに会う。セルコに同情したおおかみは、もう一度農夫に大事にしてもらえるよう、手を貸すという。
 確かに似ているが、『泣いた赤おに』のようなせつなさはない。セルコが赤おにほど身勝手ではないせいかもしれない。前述の講演の演者の方は、『泣いた赤おに』と『セルコ』を両方読みきかせ、「どっちがいい?」と尋ねたそうだが、感想はさまざまだったらしい。老人介護施設での読みきかせで、「外国のおはなしもなかなかいいものですねえ」という感想をくれた方がいたそうだ。同じ質問をされたら、後味のよさから、私は『セルコ』を選びたい。

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イヤーオブノーレイン 内戦のスーダンを生きのびて

オンライン書店ビーケーワン:イヤーオブノーレイン

イヤーオブノーレイン 内戦のスーダンを生きのびて(アリス・ミード作/横手美紀訳/鈴木出版)

 内戦と干ばつによる飢饉に悩まされている、アフリカ、スーダン南部。11歳のステファンの村が反乱軍に襲われ、母さんは殺され、姉さんは行方不明になった。友だちのウル、デングとともに、ステファンは難民キャンプめざしてさまようが……。
 読み終えたとき、一番つらかったのは、この国の内戦は終わっていないということ。干ばつも変わらず(これは異常気象なのではなく、気候変動なのだといわれた)。
 子どものころ、近所にスーダン大使館があった(同じ場所が、今はタンザニア大使館になっている)。当時のスーダンが内戦状態だったということを、作者あとがきを読んで知った。そして、内戦は今も続いている。当時から今に至るまでの年月に、自分がどこでどういうことをしてきたかに思いをはせると、この内戦は本当に長い。長すぎる。

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はばたけ!ザーラ 難民キャンプに生きて

オンライン書店ビーケーワン:はばたけ!ザーラ

はばたけ!ザーラ 難民キャンプに生きて(コリーネ・ナラニィ作/トム・スコーンオーヘ絵/野坂悦子訳/鈴木出版)

 ザーラはクルド人の女の子。赤ちゃんのとき、イランからイラクへ逃れてきて、難民キャンプで暮らしている。お父さんとお母さん、妹2人と赤ちゃんの弟レザの6人暮らし。レザは生まれつき重い病気を抱えていて、バグダットの病院に何度も入院しているが、このままでは長く生きられないと言われる。
 ザーラたちの物語は、まるでおとぎ話のように思えた。でも、大切なことは、世界にはたくさんのザーラたちがいて、そのほとんどはザーラたちほど幸運ではないのだと、知っていることかもしれない。

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バイオリニストは肩が凝る

オンライン書店ビーケーワン:バイオリニストは肩が凝る

『バイオリニストは肩が凝る』(鶴我裕子著/アルク出版企画)

 N響の第1バイオリン奏者、鶴我裕子さんのエッセイ集。クラシックのこともオーケストラのことも、ほとんど知らない私が読んでも面白かった。でも、「ここに出てくる固有名詞になじんでいれば、もっと面白くなるんだろうなあ」と思わずにいられなかった。巻末におすすめがいくつか挙げられているので、とりあえず、そのあたりから始めてみようか。
 それはともかく、「世の中に『合奏』が足りない」という章に書かれていることは、私も日ごろ感じていたようなことだった。日本では「演奏する人」と「鑑賞する人」が断絶されていると思う。「鑑賞する人」は有名な人の演奏しか価値を見出せず、パーティーの片隅で演奏している無名音楽家のアンサンブルを「下手な音楽聴かせやがって」と切り捨てる。そのような人はたいてい、自分は楽器では演奏しないらしい(というようなエピソードが、篠田節子さんのエッセイ集、『寄り道ビアホール』に出てくる)。鶴我さんは、家族でアンサンブルを楽しむことを勧めている。スポーツもそうだけれど、私はただ鑑賞するよりは、自分も参加するほうが好き。家族でアンサンブル……我が家でも実現させてみたい。

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こんにちはアグネス先生

オンライン書店ビーケーワン:こんにちはアグネス先生

『こんにちはアグネス先生』(カークパトリック・ヒル作/宮木陽子訳/朝倉めぐみ絵/あかね書房)

 舞台は第2次大戦後のアラスカの小さな村。村には小さな小学校があったが、先生が来ては去っていき、長く居ついたためしがない。またひとり先生が去っていた直後、イギリス人のアグネス先生がやってきた。アグネス先生は今までの先生とまったく違った。子どもたちではなく、村の人たちが知ること・学ぶことの楽しさにめざめていく。
 たまたま手に取った本でしたが、意外な掘り出し物でした。

(2日前に一度書いて、アップしようとしたら、ちょうどココログのメンテナンスが始まり、書いたものが消えてしまいました。ショックでした……。残念ながら同じものはもう書けないので、非常にあっさりしたものになりました。)

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恋愛市場

オンライン書店ビーケーワン:恋愛市場

『恋愛市場』(サラ・ダン作/菊池由美訳/ポプラ社)

 アリソンが同棲している恋人トムが出て行った。ホームパーティーの真っ最中、マスタードを買いに出たあと、「ほかに好きな人ができた」と電話をよこし、それきり戻らなかったのである。パーティーの真っ最中なので、目撃者多数。これはかなりつらい。回想シーンが多いので、長い時間の話のように感じたが、実際は始まりから終わりまで、数週間(+エピローグ的要素)の話。ネタバレになるので詳しくは書けないけれど、ラスト近く、つきものが落ちたようにすっきりしたアリソンが印象的で、好感を持った。
 結婚して子どもがいる人、結婚しているけれど子どもはいない人、結婚はしていないけれど恋人がいる人、独身で恋人もいない人……。それぞれにそれぞれの人生があり、喜びも悲しみも、怒りもさびしさもそれぞれ。

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金魚はあわのおふろに入らない!?

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『アビーとテスのペットはおまかせ! 1 金魚はあわのおふろに入らない!?』(トリーナ・ウィーブ作/宮坂宏美訳/しまだしほ絵/ポプラ社)

 将来は獣医さんになりたいアビー。悩みは、住んでいるアパートがペット禁止で、ペットが飼えないこと。そこで、ベビーシッターならぬ、ペットシッターになろうと思い立ちます。さっそく、近所のウィルソンさんが留守にしている間、金魚の世話をすることになりますが……。
 真面目で、比較的融通がきかない姉アビーと、自由奔放で、気分は犬!の妹テスの対比がおかしかったです。身近によく似た姉妹がいるので……。あと、休日の朝、お父さんがブルーベリーのホットケーキを焼くのですが、欧米の作家の作品を読んでいると、「休日の朝、お父さんがホットケーキ(パンケーキ)を焼く」というのが多いような気がします。一般的なのでしょうか。
 カナダでは人気のシリーズで、原書は7巻まで刊行されているそうです。日本でも続刊が出るとか。楽しみです。

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ジュディ・モード、有名になる!

オンライン書店ビーケーワン:ジュディ・モード、有名になる!

『ジュディ・モード、有名になる!』(メーガン・マクドナルド作/ピーター・レイノルズ絵/宮坂宏美訳/小峰書店)

『ジュディ・モードはごきげんななめ』に続く、「ジュディ・モードとなかまたち」シリーズ第2弾。クラスメートのジェシカが「単語つづりバチ大会」で優勝。ティアラをかぶって、新聞にも写真が載って、自慢げなジェシカが、ジュディは実はうらやましい。「一生のうち、15分くらいは有名になれるチャンスがある」と聞いて、自分も有名になろうと考えますが……。
 ストーリーも会話も、テンポよく進みます。それにしても、ジュディは器用ですね。この手先の器用さとあの打たれ強い(?)性格があれば、いつか本当に有名になる日もくるのではないでしょうか。

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岸本葉子の暮らしとごはん

オンライン書店ビーケーワン:岸本葉子の暮らしとごはん

岸本葉子の暮らしとごはん』(岸本葉子著/昭文社)

 新聞の生活欄で紹介されたのを見て、興味を持った。がんの手術を受けたあと、食生活をあらためた著者の、食を中心とした日々の生活がつづられ、レシピがいくつか紹介されている。
 私自身、病気というわけでもないのに体調が悪くなることがある。著者・岸本葉子さんが言うように、食事は1日3回取るものだし、もう少し改善してみようかなあと考えるようになった。体を動かすことも大事だけれど、その前に体を動かせるだけの体力を取り戻すことが必要かもしれない。
 ここ数日、微熱が続いていて、寝込むほどではないので、普段どおりに仕事に行ったりしているせいか、全然よくならない。口の中は口内炎がいっぱいできていて、リンパ腺がはれている。関節が痛いような気もする……。
 食生活を改めようと、とりあえず、らでぃっしゅぼーやに資料とお試し野菜を請求。浄水器を買うことも検討中。よさそうなのは高い……。82,425円という値段にめまいがした。

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ローラ*ローズ

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ローラ*ローズ』(ジャクリーン・ウィルソン作/ニック・シャラット挿絵/尾高薫訳/理論社)

 宝くじが当たったのをきっかけに、ジェイニと母ニッキ、弟ケニーの3人は、暴力をふるう父から逃げるため、家を飛び出した。名前を変え、新しい人生をやり直すはずだった……。
 長女Nが「ガールズ」シリーズをはじめとするウィルソン作品が好きで、この本も中学入学祝いにいただいた図書券でNが購入したもの。私は……というと、ウィルソンの作品は文体のおかげか、深刻なテーマを扱っている割には暗くならないところはいいと思っているのだけれど……ときどき、読んでいてトラウマスイッチが入ってしまうことがある。残念だけれど、この『ローラ*ローズ』を読みながら、記憶の奥に封印していた出来事をいろいろ思い出してしまい、つらかった(でも、何とか読み終えた)。
 『ヴィッキー・エンジェル』ではジェイドのお母さん、『ガールズインティアーズ』ではエリーのお父さんに感情移入してしまった。う~ん。嫁姑ものドラマを見ながら、いまだに嫁に感情移入しているうちの母はすごいのかもしれない。

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ヴィッキー・エンジェル

オンライン書店ビーケーワン:ヴィッキー・エンジェル

ヴィッキー・エンジェル』(ジャクリーン・ウィルソン作/ニック・シャラット挿絵/尾高薫訳/理論社)

 ジェイドとヴィッキーは幼稚園からの親友。美人で明るくて人気者のヴィッキーに、おとなしいジェイドは振り回されていた。ある日、いつも自分のやりたいようにするヴィッキーにジェイドは腹を立て、けんかになる。道路に飛び出したヴィッキーは車にひかれ、帰らぬ人に……。自分のせいで!と罪の意識に責められるジェイドのもとに、幽霊となったヴィッキーが現れた。ヴィッキーの姿はジェイドにしか見えず、ほかの人には見えない。生きていたころと同じように、ジェイドの行動をあれこれ指図する。また、ほかの子と仲良くするとヴィッキーが怒るので、やさしくしてくれる子がいても、わざと邪険な態度をとらなければならない。ジェイドはだんだん息が詰まってくるのだが……。
 女の子の友情がまるで主従関係のように見えることがある。2人組のうち、支配力を持つほうが何もかもを決定し、もうひとりは相方の顔色をうかがう。アン・ファインの『チューリップ・タッチ』もそうだったし、山田詠美の『蝶々の纏足』もそうだった。物語の中を探さなくても、我が家の娘たちだって、保育園時代、お友だちとの関係は主従関係だった(うちの娘たちは振り回されるほう)。
 作者の意図と反しているような気はするけれど、私には、幽霊となったヴィッキーは、ジェイドが罪の意識と寂しさから、無意識に作り出した存在のように思えてならなかった。そういう視点で読むとラストが妙に納得できるのだけれど。

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川べのちいさなモグラ紳士

オンライン書店ビーケーワン:川べのちいさなモグラ紳士

川べのちいさなモグラ紳士』(フィリパ・ピアス作/猪熊葉子訳/岩波書店)

 足を怪我したフランクリンさんの代わりに、ベットは牧場に住むモグラに本を読んでやることになった。モグラとベットは少しずつ親しくなっていく。300年以上生きているモグラは、ベットに自分の数奇な運命を語る。そしてベットは、幼いころに自分を捨てた母親から一緒に暮らそうと持ちかけられ、心が揺れていることなどを話す。
 冒頭、フランクリンさんがベットに読むように言ったのは、ダーウィンの『ミミズと土』 。読んだことはないけれど、引用部分でわかった。モグラの数奇な運命をもたらしたできごとも、数年前、英国史をまとめてかじったおかげで基礎知識ができていて、わかりやすかった。そういう知識がなくても十分楽しめると思うけれど、知識があればより楽しめる。大人になってから読む児童文学の楽しみは、そういうところにもあるのかもしれない。

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死神の精度

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死神の精度』(伊坂幸太郎作/文芸春秋)

 調査部から派遣された死神が、対象となる人間と1週間接触する。「可」か「見送り」か報告し、「可」ならその人間の最後を見送ったところで任務完了。死神「千葉」が語る、対象となった6人をめぐる物語を収めた連作短編集。対象となる6人、それぞれにドラマがある。千葉は「仕事」には必要以上に力を入れず、空き時間のほとんどを音楽を聴くことに費やしている。CDショップの視聴コーナーに入り浸ったり、山の中の何もないホテルで思わずラジオを見つけてはしゃいだり……。1作目から6作目まで、実はかなりの時の流れがある。どこかでつながっている話もある。
 私が一番好きなのは、2作めの「死神と藤田」。藤田という男はヤクザだけれど、かっこいい。うん、かっこいい。すっかり藤田に魅せられていた私は、ラスト近く、死神・千葉の「ああ、そういうことか」というつぶやきからラストにかけて、心が騒いだ。
 死神の話なのだけれど、「生きていくのって、悪くないよね」という前向きな、暖かい気持ちになれる。

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最後の宝

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最後の宝』(ジャネット・S・アンダーソン作/光野多惠子訳/早川書房)

 タイトルから勝手に、宝探しをする子どもたちが主人公のファンタジーだと思い込んで、敬遠していました。ファンタジーはあまり得意ではないのです。でも、やまねこ翻訳クラブの「読書室掲示板」で、この作品について、翻訳者の方を交えたおしゃべりに引き込まれ、ファンタジーではなく、どちらかというとミステリーだということもわかったので読んでみました。
 お父さんと2人、お父さんがホテルの夜勤係をしているホテルで暮らしているエルズワース。13歳の誕生日、毎年カードをくれるエリザベスおばさんからカードが届いた。これまでのカードには差出人の住所は書いていなかったし、「ありがとう」と返事を出したこともなかった。けれど、今年のカードはちがった。エリザベスおばさんたちスミス一族の住む、〈ザ・スクエア〉へ来て、一族の先祖、ジョン・マシュー・スミスが残した最後の宝を見つけ出すために、手を貸して欲しい、と書いてあったのだ……。見えない力に引き寄せられるように、エルズワースは〈ザ・スクエア〉へ行き、自分とそっくりな顔をした少女、ジェスに会う。2人で宝探しに挑戦するが……。
 登場人物が多くて、同じ名前の人が繰り返し出てくるので(ガブリエル・ガルシア・マルケスの『百年の孤独』みたい……。あれも好きでした)、巻頭にある、一族の系図とスミス一族の住む、〈ザ・スクエア〉の見取り図を何度も参照しました。ほかにやらなきゃいけないことがあったはずのに、ついついあれこれが気になって、一気に読んでしまいました。読書の楽しみに満ちた本だと思います。「読書室掲示板」でツリーがのびているのも納得しました。

 追記。
 私が持っている『百年の孤独』は20年くらい前に購入した古い版なのですが、今出ているのは系図もあり、活字も大きくて、読みやすいそうです。

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いぬのおばけ

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いぬのおばけ』(長新太作/ポプラ社)

女の子が倒れている犬を見つけ、おぶってやります。犬はなぜだかどんどん重くなり……。
今年6月に亡くなった、長新太さんの絵本。相変わらずナンセンスですが、ほろりとします。
いろいろな雑誌で、長新太さんの追悼特集を見かけます。私は長新太さんの絵本が好きなので、亡くなったとき、もう新作が読めないのだと思って、さびしかったです。
この絵本に出てくる犬が、次女Y愛用の犬の抱き枕、パープルにそっくりなのが、我が家では受けました。

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ライオンのながいいちにち

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ライオンのながいいちにち』(あべ弘士作/佼成出版社)

 土曜日に行った、「アフリカの絵本原画と児童書展」で原画が展示してあった本。
 あべ弘士さんは元動物園の飼育係だけあって、動物の絵はすばらしいです。長新太さんも絶賛されていたそうです。原画を見たとき、木の上で休んでいるヒョウに、私はメロメロになりました~。かわいい! かわいい!
 次女Y相手に読んでやったら、私と同じく、ヒョウにメロメロ。キリンとシマウマににこにこ。とぼけた味のライオンのお父さんにけらけら。
 受けたので、11月の教室での読みきかせの候補に入れておこうと思います。
 シリーズ第3作とは知りませんでした! 1作目『ライオンのよいいちにち』と2作目『ライオンのへんないちにち』も要チェックです。

オンライン書店ビーケーワン:ライオンのよいいちにち
オンライン書店ビーケーワン:ライオンのへんないちにち

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チューリップ・タッチ

オンライン書店ビーケーワン:チューリップ・タッチ

チューリップ・タッチ』(アン・ファイン作/灰島かり訳/評論社)

 イヤだなあ~と感じながら、途中でやめることができず、最後まで読んでしまった。これは作品の力なのか? 作者の力量なのか? それとも、チューリップのわななのか?
 チューリップみたいな女の子は身近にいるかもしれない。次女Yのクラスに、「ワニ50匹飼っている」なんて、だれだってうそだと思うようなことを平然と言う子がいるらしい。Yのクラスの子がどういう気持ちで言っているのかはわからないけれど、チューリップはうそをついているという自覚はないのだと思う。
 親の虐待を受けた末、子どもが死んでしまったあとで、「しょっちゅう子どもの泣き声がした」だの「行政に訴えたけれど、ちょっと見ただけで帰ってしまった」だのという近所の人のコメントが報道される。何かあってからでは遅いのに、結局、何か起きないと何も動かない。いつもやるせない気持ちになるが、作者も同じような気持ちになったのだろうか。

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幸福な食卓

オンライン書店ビーケーワン:幸福な食卓

『優しい音楽』がよかったので、瀬尾まいこさんの作品をもっと読んでみたくなって、手にした1冊。書かれたのはこっちのほうが先。
 お父さんが突然「お父さんをやめる」と言い出すところから始まる。お母さんは物語が始まる前に既に家を出ていて、優等生だった兄の直ちゃんは大学進学に意義を見出せず、農業を職に選ぶ。主人公の佐和子は毎年梅雨になるとうずく、心の傷を持っている……。こういう状況設定なのに、暗く悲しい話にはならないのがいい。淡々としていて、ところどころユーモラスな語り口。作者の暖かい視線を感じる。
 佐和子が中2のとき、中3のとき、高1のとき、高2のときエピソードを描いた4つの短編連作集。前の話に登場していたキャラが、あとでとんでもないことになっていたりして、ちょっとびっくりした。つらいエピソードもあったけれど、それでも、読み終えて暖かい気持ちになった。
 この作品、映画化されるそうで、ヒロイン役を募集している(9月20日必着)。

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月刊児童文学翻訳9月号

 やまねこ翻訳クラブが発行しているメールマガジン、「月刊児童文学翻訳」9月号のhtml版が公開されました。
 今回、私もレビューを書かせていただきました。ご覧になった方のご感想をいただけたらうれしいです。

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妖怪アパートの幽雅な日常 4

オンライン書店ビーケーワン:妖怪アパートの幽雅な日常 4

 シリーズ第4巻がようやく刊行! 3巻の巻末に4巻は「2005年春刊行予定」とあったので、ず~っと待っていました。お昼休みと帰りの電車の中で読み終わりました。読み終えたあとの気持ちよさは、1~3巻と同じ。
 高校2年の夏休み、夕士は魔道士として修行に励みつつ、バイトに精を出します。レベルアップした修行に、つぶされそうに感じながらも何とか乗り越え、成長していきます。
 バイト先で夕士が出会った大学生2人も、自殺しようとしてた女の子も、変化し、成長します。3人ともだれかに変えてもらったのではなく、何とかしよう!という気持ちがあって変わっていったのです。受身ではなく、自分でなんとかしようと思わなければ変わらない! そんなメッセージが伝わります。
 そして、あいかわらず、るり子さんの作る料理のおいしそうなこと。お腹がすいているときに読むと、かなりつらい本でもあります。

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ジュリエッタ荘の幽霊

オンライン書店ビーケーワン:ジュリエッタ荘の幽霊

 第2次大戦末期の北イタリア。リッリは母と弟のフレード3人で、母の故郷の村に疎開していた。父はかつての同盟国ドイツの捕虜になり、ポーランドの収容所にいる。ある日、友だちと川で遊んでいて、ひょんなことから、ひとり友だちとは別の道を通って帰ることになったリッリは、途中、「呪われた屋敷」と呼ばれる家で、この世のものとは思えないほど色の白い少女の姿を見かけて驚く。結核で亡くなった少女の幽霊なのではないかと思うが……。
 これ以上詳しいあらすじを書けないのが残念だが、クライマックスでのリッリのたくましさに感服。人は見かけどおりとは限らない。思い込みで判断してはいけない、というメッセージも心地よかった。読後感はさわやか。
 戦後60年。最近、第2次大戦を題材にした児童文学の出版が目につくような気がする。

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楽しみな本

                                                             
オンライン書店ビーケーワン:妖怪アパートの幽雅な日常 4オンライン書店ビーケーワン:ジュリエッタ荘の幽霊オンライン書店ビーケーワン:幸福な食卓
オンライン書店ビーケーワン:恋愛市場オンライン書店ビーケーワン:カラフルオンライン書店ビーケーワン:理解しやすい生物I・II

すべて手元にあります。
仕事の往き帰りの電車の中で読むつもり。

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最近読んだ本(和書)

                                                                        

オンライン書店ビーケーワン:インサイダーズ

オンライン書店ビーケーワン:ベジタブルハイツ物語オンライン書店ビーケーワン:わたしが妹だったとき
いるかのカーフオンライン書店ビーケーワン:小学生日記オンライン書店ビーケーワン:ぼくらのサイテーの夏
月館の殺人 上

   

読んだ本について、長女Nと話すのが楽しい。

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最近読んだ本(原書)






"Isla And Luke: Make Or Break?" は思っていたよりよかった。実物の表紙はあざやかな赤。全作 "When Isla Meets Luke Meets Isla" の表紙は黄色だった。つい、同じ作者の3作目 "The Bad Girls' Club"を注文してしまった。『ハチミツとクローバー 2 (初回限定版)』のDVDと一緒に届くはず……。

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心があたたまる

オンライン書店ビーケーワン:イルカの家

『イルカの家 』を読んだ。ローズマリー・サトクリフの本を読んだのは初めてだったけれど、とてもよかった。読み終えて、幸せな気持ちになった。
 毎週日曜日、「仮面ライダー響鬼」を見ると、同じようなあたたかい気持ちになる。布施明の歌が流れるエンディングの最後、振り向いたヒビキさんの笑顔に、「ああ、見てよかった~」と感じる。
 読んでよかった。見てよかった。そう思えるのって、基本的なことじゃないかな。ひとりよがりではなく、作り手が受け取り手のことを考えて作っているような気がする。

(1か月以上更新していなかったのですね!久々の話題が仮面ライダーか~。ま、いいけど。)

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受賞作発表!

ニュージーランド・ポスト児童書及びヤングアダルト(YA)小説賞(New Zealand Post Book Awards for Children and Young Adults)の2005年の受賞作が発表された。"Malcolm and Juliet" がYA小説部門(Young Adult Fiction)を受賞したのにはちょっとびっくり!
主催者のサイトはこちら

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Malcolm and Juliet

"Malcolm and Juliet"
by Bernard Beckett
Longacre Press 2004, 137 pp. ISBN: 1877135941
2005年ニュージーランド・ポスト児童書及びヤングアダルト(YA)小説賞 YA小説部門候補作

 実はだいぶ前に読み終わっていたのですが……。

 マルコムは16歳の高校生。科学おたくで、頭の中の半分は科学のことでいっぱい。で、もう半分を占めているのは……16歳なら仕方ないのかな、セックスです。でも、童貞。だからよけいに好奇心が高まります。高校生対象の科学研究コンクールに応募しようと考えたマルコムは、セックスをテーマにすることに決め、ビデオカメラ片手にまわりにいる男の子・女の子にインタビューを試みます。
 ジュリエットはマルコムの幼なじみ。マルコムとは正反対で、ジムに通って体を鍛えたり、キックボクシングをやったりする、たくましいスポーツ少女です。しかし、どこのだれだかわからぬ相手から脅迫状が届き、秘密をばらされたくないジュリエットは、お金集めに奔走し、危険な仕事に手を出そうとします。
 その他、美人でお金持ちでもてもてだけれど、まだ本当の恋愛を知らないシャーロット、親友ブライアンにひそかに恋をしているケヴィン、ケヴィンの気持ちなどまったく想像もせず、女の子をナンパするのに夢中のブライアン……。この5人の少年・少女に、マルコムのお母さん(職業は看護士)、学校の校長先生などが絡みます。下品になりそうなテーマなのに、楽しいコメディーに仕上がっています。もともとは舞台劇だったそうで、そう思うと納得です。

〈追記〉
 Y翻訳クラブの読書室掲示板に、この作品のレビューを書こうかと思ったのですが、テーマがテーマだけに、なんとなくはずかしくて……ためらってしまいました。

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Japanese Children's Books

 Y翻訳クラブの英文ウェブジン(厳密には和英バイリンガル・ウェブジン)、"Japanese Children's Books" の春・夏号が公開されました。今回は動物特集で、フィクションあり、ノンフィクションあり……で、バラエティ豊かです。私は今回初めて、レビューを書かせていただきました。編集スタッフのお2人、執筆者の方々、お疲れさまでした。ぜひぜひ、多くの方々に見ていただきたいと思います。
こちらのページ(↓)からどうぞ!
Japanese Children's Books

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ハチミツとクローバー

 書店で単行本を見かけてから気になってはいた。先月、連載第1回分を綴じた無料配布の小冊子をもらって読んで、気に入って、長女に読ませて、長女も気に入って、「続きが読みたい!」と、単行本第1巻を購入。4月から始まったアニメも見始めた。絵がきれいなので旦那にも勧めたところ、旦那もすっかり気に入り、原作のほうも読み始めた。仲間はずれになりたくない次女を交えて、アニメ『ハチミツとクローバー』を見るのは、我が家の楽しみのひとつとなった。
 旦那は、竹本を見ながら、大学時代の友人(出会った当時)そっくりだとばかり言っている。長女Nははぐと竹本がいいと言っていたけれど、原作を読み進むに連れ、「山田が一番好きになった」らしい。次女Yは真山と山田が好きだと言っている(理由を聞いたら、真山はイケメンで、山田は美人だから、と答えた)。私は、山田がけなげでせつなくて、かわいいなあ~と思っている。でも、森田も好きだなあ。森田が好きだと言ったら、娘たちが「えっ? ママ、森田、好きなの!?」とびっくり。好きと言っても、お付き合いしたいというというよりは、こういう人になりたい、なれたらいいな~というふうに好きなのだけれど。と話したら、旦那に「君は結構、森田に似ていると思うけどな~」と言われた……。
 
公式ウェブサイトはこちら

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デイヴィッド・アーモンド

 4月2日に作家のデイヴィッド・アーモンドと翻訳家の金原瑞人氏のトークセッションが行われる。アーモンド作品は『肩甲骨は翼のなごり』(山田順子訳/東京創元社)と『ヘヴンアイズ』(金原瑞人訳/河出書房新社)を読んでいた。結構好きな世界だなと思いながら、それきりになっていたが、トークセッションに申し込んだのを機に、邦訳をさらに3冊、それから原書を1冊読んだ。邦訳の出ていない原書(短編集 "Counting Stars")も注文した。
 まず最初に、"The Fire-eaters" を読んだ。レビューを読んだとき、フェデリコ・フェリーニの『道』を連想させた。「マクナルティー=ザンパノ」だったのだが、実際に読んでみたら、やっぱり『道』を思い出したけれど、マクナルティーはザンパノではなく、ジェルソミーナだった。転校生ダニエルとその家族以外の登場人物のしゃべり方が独特で、イングランド北部の訛りなのだろうか? 『フル・モンティ』や『リトル・ダンサー』といった映画を見たとき、台詞がほとんど聞き取れなかったけれど、アーモンド作品を原書で繰り返し読んでいれば、わかるようになるかもしれない……? 
 次に周囲のアーモンド好きの間で一番人気が高い『闇の底のシルキー』(山田順子訳/東京創元社)を読んだ。なんだか、テレビの「本当にあった怖い話」みたいだなと感じた(視聴者から届いた恐怖幽便を元に作られたドラマの中の、不思議な体験だけれどこわくはない話……というものを見ているような気がした)。続けて『秘密の心臓』(山田順子訳/東京創元社)を読んだ。フェリーニの『81/2』を思い出した。最後に、"The Fire-eaters" の邦訳、『火を喰う者たち』(金原瑞人訳/河出書房新社)をさらりと読んだ。
 いろいろと読んで気になったのは、「フェリーニ、好きなのかなあ」ということと、「FA杯の準決勝で、ニューキャッスルとマンチェスター・ユナイテッドの対戦をどんな気持ちで迎えているのかなあ」ということ……。アーモンド本人に聞いてみたい。

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最近読んだ本など

 ほぼ1か月止まっていた、Y翻訳クラブの原書読破マラソンに復帰。スタートしたときは先頭集団にいたのに、今や完走も危うい……。
 少し余裕が出たので、最近2冊アップした。Gianni Rodari の "Il libro degli errori" と、Emanuela Nava の "Cieliegie e bombe" という作品。合わせて269ページ。年内に5000ページ読破の目標まで、あと4731ページ。Y翻訳クラブの原書読破マラソンの目標は、3月末までに3000ページ読破で、こちらは目標まであと1100ページ。1日平均20ページ読めばいいので、まだ大丈夫かな。


 すずき出版の「この地球を生きる子ともたち」というシリーズが気になっている。『ヒットラーのむすめ』『イクバルの戦い』を読んだ。シリーズ3作目は『イヤー オブ ノー レイン ~内戦のスーダンを生きのびて~』。こちらも読みたい。


『青と赤の死』もよかった。ただ、最近子どもたちと一緒に見ている、「ケロロ軍曹」の影響で、〈軍曹〉〈伍長〉といった言葉に変なイメージができてしまい、ちょっと困った。

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ミミズづくし

 以前にも書いたが、わけあって、ミミズの本をいろいろ読んだ。
 その中で一番気に入ったのは、『ダーウィンのミミズの研究(たくさんのふしぎ傑作集)』。「進化論」のダーウィンが、実は40年以上かけてミミズの研究をしていた。前半はダーウィンの研究について語られ、後半ではダーウィンの研究に興味を持った学者(=この絵本の著者)がダーウィンが研究した土地を訪ね、その後どうなったかを追う。ダーウィンとミミズの組み合わせも意外だったが、「40年」という長いタイム・スパンにも感動した。杉田比呂美さんのイラストも素敵。研究者の著作がこんなに楽しい絵本になるなんて! 自然科学系のノンフィクションはもともと好きなほうだが、これは特にお勧めの1冊となった。
 『みんなでしらべたミミズのふしぎ』(柴智行、田村俊昭、先崎真一、林靖彦、小林博之共著/童心社/入手不可)は、先生の勧めでミミズを研究した小学生の記録。コンクールで入賞したものらしい(1985年当時、小学校5年生くらいなので、今30歳くらいかな?)。4人がそれぞれ分担を決め、先生に導かれながら(仕切られるのではなく)、自分たちで結論を出していくのがいい。今の小学校では、先生も生徒もこんな余裕はないだろうなあ。残念なことだが。
 以上2冊を読みながら改めて思ったのは、「研究とは、すぐに答えが出るものではない」ということ。企業に研究職として採用されながら、「結果が出せない」ことを理由にリストラになった人の話をきいたばかりだったが、「そんなのじゃだめだよ!」と改めて思った。怒りに近い気持ちさえ感じた。今の日本では「ダーウィン」は育たないだろう。

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クリスマス・プレゼント

 がんばった自分へのごほうびに~なんていう言い方はあまり好きではないが、まあ、1年の終わりにちょっとくらい贅沢をしてもいいかなあなんてことは思う。子どもたちや姪っ子たちへのプレゼントはたいてい本なので、自分へのプレゼントも当然、本(「自分の本、しょっちゅう買っているじゃないか」という、旦那のつぶやきが聞こえたような気がするが……)。思い切って、『神曲』を買った。岩波文庫と集英社文庫の地獄篇と、現代教養文庫の『神曲物語』は持っているが、やはりこれも欲しかった。地獄篇によれば、こういう人間は地獄へ落ちるらしい。
 脚注を読んでいると、与謝野晶子さんは、神曲を読んで、それを元にした歌を詠んだりしている。やはり明治の人には勝てないなあ、なんて思ってしまう。
 東京都美術館の「フィレンツェ-芸術都市の誕生」展は12月19日まで。結局、見に行かれそうにない。残念。

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最近読んだ本・これから読みたい本

 最近読んだ本、どれも面白かった。
 小学校中学年以上の子どもにおすすめ!と評判の、『ジュディ・モードはごきげんななめ』。 まず、装丁がおしゃれ! 個人的に、カバーに使われている紙の素材と色が好み。ナチュラルな感じのカバーと、鮮やかな色の本体と見返しがぴったり。カバーに空けられた穴もいい。と、装丁のことばかり書いてしまったが、話の面白さはもちろんのこと、日本語のリズムのよさがここちよかった。字は読めるけれど、読んで話を理解することはできない次女Yに、読み聞かせている。「プンスカくんえんぴつ」(元の英語はどうだったのかなあ~?)なんていう言葉に、笑い転げている。
 メルマガ「月刊児童文学翻訳」でレビューを読んで興味を持ち、翻訳が出たので飛びついたのが、『きらきら』。切なく、かなしく、でも、あたたかい物語。主人公、ケイティのお父さんとおじさんの心情にぐっときた。『宇宙のかたすみ』(アン・M・マーティン作/金原瑞人・中村浩美共訳/アンドリュース・クリエイティブ)に通じるものがあるような気がして、『宇宙のかたすみ』が大好きな長女Nに、ぜひ読んでもらいたいと思う。
 わけあって、ミミズについていろいろと調べているのだが、そんな中で出会ったのが、『ミミズのふしぎ』。身近な生き物なのに、全然何も知らなかったことを、痛感した。ミミズの交配と産卵はSFだ。
 この先1年間は、特にイタリア語の原書読みに力を入れようかと思い(やはり、力不足なので)、Y翻訳クラブの「原書読破マラソン」ではイタリア語の原書のみを読むことにしている(英語の本も読むけれど、マラソンで読んだものとしてアップはしない)。一番最近読んだのは、"Io e Sara, Roma 1944"(by Teresa Buongiorno, Piemme Junior)。ファシスト政権下のイタリア人の女の子を主人公にした話なのだが、すご~くよかった! 多感な小学校~中学校の時期をこんな時代に過ごさなければならなかった女性が、記録として(でも、単なる「記録」ではなく、読んで楽しめる「読み物」として)この本を残したのは実に意義がある。巻末には、専門家が書いた、この時代のできごとが補足されている。
 手元にあるのに、まだ読んでいない本もいろいろ……。『ディナモ ナチスに消されたフットボーラー』、『環境リスク額学 不安の海の羅針盤』、イタリア語の原書と英語の原書がいくつか(でも数は二桁)、図書館で借りてきた本がいくつか(すべてミミズ関係)、『クジラを捕って、考えた』(川端裕人著/徳間文庫)も気になるし、『日本の名詩を読みかえす』(高橋順子編・解説/いそっぷ社)は長女Nに読ませたいし……。シリーズ3巻が出た、『妖怪アパートの幽雅な日常』(香月日輪作/講談社)はぜひ、買わねば!

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きらきら

オンライン書店ビーケーワン:きらきら

きらきら』(シンシア・カドハタ作/代田亜香子訳/白水社)

せつなく、かなしい、でも、あたたかい物語。

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ミミズのふしぎ

オンライン書店ビーケーワン:ミミズのふしぎ

ミミズのふしぎ(ふしぎいっぱい写真絵本 3)
(皆越 ようせい写真・文/ポプラ社)

ほかでは見られない、珍しい写真が満載。

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ジュディ・モードはごきげんななめ

オンライン書店ビーケーワン:ジュディ・モードはごきげんななめ

ジュディ・モードはごきげんななめ(ジュディ・モードとなかまたち 1) 』(メーガン・マクドナルド作/ピーター・レイノルズ絵/宮坂宏美訳/小峰書店)

小学生の女の子におすすめ! 大人も大人なりに楽しめます。

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